高齢者の「生きがい」を実現し、「自分らしい生活」をサポート!

高齢者の「生きがい」を実現し、「自分らしい生活」をサポート!

退院後の脳卒中患者の生活支援

作業療法士の仕事は、心身に障害がある人や高齢者が「自分らしい生活」を送れるように支援することです。こうした現場での活動がよりよいものになるよう、支援方法についての研究が行われています。
一つは、脳卒中の患者が退院したあとの日常生活のサポートです。人が「自分らしい生活」を送るには、その人にとって生きがいとなるような「大切な作業(意味のある作業)」をうまくこなせることが大切です。そのため筋肉や関節などの機能的な回復だけでなく、作業にも焦点を当てることが欠かせません。脳卒中の患者へのアンケート調査によると、基本的な日常生活の動作は入院中にリハビリしたものの、退院後、家事や社会参加といった「大切な作業」が十分にできていないことがわかりました。大切な作業は人それぞれなので、患者にとって何が大切な作業なのかという聞き取りから、その作業を実現するまでのよりよい支援方法が探索されています。

「大切な作業」

もう一つは地域の高齢者の健康維持・増進です。健康な高齢者に対し、どのような要因が健康に関連しているのか調べるために、自治体と協力してアンケート調査が行われました。その結果、「大切な作業」がある人は健康状態が維持できている傾向にあり、大切な作業があることが、健康維持の要因の一つであることがわかってきました。ここで重要なのは、その作業が何かではなく、「その人にとっての大切な作業」があって、それを満足して遂行できているかどうかということです。さらに、大切な作業の有無が年齢や性別などそのほかの要因とどのように関係しているのか調査が進められています。

調査研究と実践で健康増進を

高齢者の支援方法の研究には、調査研究とともに、現場での実践的な取り組みも欠かせません。そのため実際に地域の健康サロンなどに赴き、作業療法学的なアプローチが模索されています。こうした現場での実践や調査研究の結果をもとに、健康増進に役立つプログラムの作成が進められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

信州大学 医学部 保健学科 作業療法学専攻 准教授 務台 均 先生

信州大学 医学部 保健学科 作業療法学専攻 准教授 務台 均 先生

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リハビリテーション科学、生活科学

先生が目指すSDGs

メッセージ

作業療法士は、障害によって、毎日の生活にむずかしさを抱える人々が「自分らしい生活」を実現するための支援を行う、とてもやりがいのある職業です。その人にとっての「大切な作業」とは何かを一緒に考え、相談し、目標を立てたらそれに向かって二人三脚で取り組みます。その人がやりたいと思っていたことが一人でできるようになったときは本当に嬉しく、達成感を感じられます。現場での活動だけでなく、よりよい支援ができるように研究することも可能です。人を助ける仕事をしたいなら、ぜひ本学で一緒に作業療法学を学びましょう!

信州大学に関心を持ったあなたは

信州大学は、人文・教育・経法・理学・医学・工学・農学・繊維の8学部からなり、すべての学部に大学院が設置されています。教員は約1千人、在学生数は約1万1千人で、世界各国からの留学生約400人も意欲的に学んでいます。
松本、長野、上田、伊那に位置するいずれのキャンパスも、美しい山々に囲まれ、恵まれた自然のもと、勉学にも、人間形成の場としても、またスポーツを楽しむにも最適の環境にあります。さらに、地域との連携がきわめて良好であり、地域に根ざした大学としての特色も発揮しています。