看護師の観察力とは? アイカメラで探る「目のつけどころ」

観察=見るだけじゃない
看護師による「観察」は、ただじっくり見るだけではありません。患者やその周りをよく見て、そこから看護に必要な情報を選びとり、それを記憶するという一連のスキルです。
ベテラン看護師と新人看護師とでは、観察力に差が出ることがあります。二人で一緒にケアをしたとき、ベテランは患者の異変や不安、床に落ちているゴミなどに気づくが、新人は気づかない、というようなことが起こります。そうなるのは「目のつけどころ」が違うためです。ベテランは見るべきポイントがわかっているので、短時間のうちに必要な情報を得られます。さらに、その場でも判断しながら必要な情報を追加で得られ、患者のケアに役立てることで患者の安全を守ります。
見ていないのに見えている?
この目のつけどころの違いをテーマにした研究があります。アイカメラでベテランと新人や看護学生の視線を追うとともに、それぞれが記憶してきたことを調べて、見ていたもの(アイカメラのデータ)と記憶を照らし合わせるというものです。すると、視線は新人や看護学生の方が患者や医療器具に集中していました。また見ていたものと記憶は、ベテランの一致率が低いことがわかりました。
このような結果が出たのは、アイカメラが中心視(瞳孔の動き)を追うためと考えられます。人は中心視の外側の周辺視野でもぼんやりと物を見ることが可能で、それで周りの状況を大まかに知り、危険を察知しています。ベテランの看護師は視野が広く、見ていないようで見えていることが多いのです。
観察に始まり、観察で終わる
人は、ありのままに物を見ているわけではなく、視力、気持ち、知識、経験など、さまざまな要素で見えているものは変わります。観察力は経験によって向上するものとされています。「看護は観察に始まり、観察に終わる」という言葉があるほど大切なスキルなので、観察力を測ったり教えたりする方法をみつけようと、さまざまな研究が行われています。アイカメラの研究もその一つで、看護教育に役立てることが大きな目標です。
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秀明大学 看護学部 看護学科 准教授 大黒 理惠 先生
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