講義No.15811 看護学

看護師の観察力とは? アイカメラで探る「目のつけどころ」

看護師の観察力とは? アイカメラで探る「目のつけどころ」

観察=見るだけじゃない

看護師による「観察」は、ただじっくり見るだけではありません。患者やその周りをよく見て、そこから看護に必要な情報を選びとり、それを記憶するという一連のスキルです。
ベテラン看護師と新人看護師とでは、観察力に差が出ることがあります。二人で一緒にケアをしたとき、ベテランは患者の異変や不安、床に落ちているゴミなどに気づくが、新人は気づかない、というようなことが起こります。そうなるのは「目のつけどころ」が違うためです。ベテランは見るべきポイントがわかっているので、短時間のうちに必要な情報を得られます。さらに、その場でも判断しながら必要な情報を追加で得られ、患者のケアに役立てることで患者の安全を守ります。

見ていないのに見えている?

この目のつけどころの違いをテーマにした研究があります。アイカメラでベテランと新人や看護学生の視線を追うとともに、それぞれが記憶してきたことを調べて、見ていたもの(アイカメラのデータ)と記憶を照らし合わせるというものです。すると、視線は新人や看護学生の方が患者や医療器具に集中していました。また見ていたものと記憶は、ベテランの一致率が低いことがわかりました。
このような結果が出たのは、アイカメラが中心視(瞳孔の動き)を追うためと考えられます。人は中心視の外側の周辺視野でもぼんやりと物を見ることが可能で、それで周りの状況を大まかに知り、危険を察知しています。ベテランの看護師は視野が広く、見ていないようで見えていることが多いのです。

観察に始まり、観察で終わる

人は、ありのままに物を見ているわけではなく、視力、気持ち、知識、経験など、さまざまな要素で見えているものは変わります。観察力は経験によって向上するものとされています。「看護は観察に始まり、観察に終わる」という言葉があるほど大切なスキルなので、観察力を測ったり教えたりする方法をみつけようと、さまざまな研究が行われています。アイカメラの研究もその一つで、看護教育に役立てることが大きな目標です。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

秀明大学 看護学部 看護学科 准教授 大黒 理惠 先生

秀明大学 看護学部 看護学科 准教授 大黒 理惠 先生

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基礎看護学

先生が目指すSDGs

メッセージ

看護師は患者さんを支える仕事です。いろいろな人生経験をもつ患者さんと出会い、丸ごと受け止め向き合って、その人の人生に少し足を踏み入れ、手助けをします。病気を受け入れられない人やよくならない人もいます。それでも時間は過ぎていきますから、その人がどんな状況であれ、1日を大切に過ごせるように支える、本当にやりがいのある仕事です。看護師になるために最も必要なのは「なりたい」という気持ちです。私たち教員があなたのやる気に寄り添いますので、ぜひ本学で夢をかなえてください。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

秀明大学に関心を持ったあなたは

秀明大学の看護学部は、大学地元、八千代市の強い要請を受けて設立されました。千葉県内から約50%、関東圏外から約30%の学生が入学し、看護職として地域に貢献するという熱い思いをもって学修に励んでいます。校訓「知・技・心」を常に意識して講義・演習・実習に取り組み、少人数の学修での意見交換から学びを深め、拡大しています。充実した学内設備と近隣の実習施設を有し、看護師、保健師の国家試験受験資格を得ることができ、国家試験対策、就職支援、担任制による丁寧なサポートが学生の高い満足度を得ています。