講義No.15818 経営学・商学

なぜ企業はパソコンやコピー機を「リース」しているのか

なぜ企業はパソコンやコピー機を「リース」しているのか

会社の成績表である財務諸表

会社が事業を行った結果、利益や資産はどうなったのか、といった情報が記載されているのが「財務諸表」です。売上や利益を表す損益計算書や財産状況を表す貸借対照表、現金の出入りを記録したキャッシュ・フロー計算書が主なもので、会社の成績表のようなものです。
財務諸表は一定のルールに従って開示する義務があり、株を購入する人はこれらの情報を参考にしています。考察のポイントとして、利益が上がっていることは大事ですが、どれぐらいが本業によるものなのか、あるいは投資に対して効率的に稼げたのかなど、前年度や同業他社とも比較して考える必要があります。

リースのメリットとは

資産も多ければいいというものでもなく、少ない資産で利益を上げていれば、利益率が高いという指標になります。資産には土地や建物、現金だけでなく、備品なども含みます。ただし、備品に関してはリースを利用していることも多いです。リース元に管理してもらえるといったメリットがあるからです。リースには、消費する物や購入した場合とリース料が変わらない「ファイナンス・リース」と、それ以外の「オペレーティング・リース」の2種類があります。前者は資産や負債として財務諸表に記載する必要がありますが、後者はその必要がありません。自動車や航空機などはオペレーティング・リースが多く、購入コストを抑えられるというメリットがあります。

すべてのリースが資産や負債に

日本の会計基準は国際会計基準との整合性を取る形でたびたび改訂されており、2027年4月の事業年度からはリースに関する基準が新しくなります。借手がリース物件を使う「使用権」という考え方が導入されることで、基本的にすべてのリースに対して資産と負債を計上することになるのです。2年半ほどの準備期間が設けられていますが、会社としては会計処理の方法やリース契約そのものを見直す必要があります。投資家にとって国際比較がしやすくなる一方、会社の財務諸表には少なからず影響が出るものと思われます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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秀明大学 総合経営学部 企業経営学科 准教授 蒔田 真也 先生

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会計学(財務会計)

メッセージ

会計というと難しい数字が並んでいるイメージかもしれませんが、ホームページに財務諸表を掲載している会社も多いので、そこから関心を持つとよいでしょう。意外な事業に取り組んでいる会社も多く、新しい発見があります。会計の基本は簿記から始まるので、簿記に触れてみるのもおすすめです。簿記検定は、計算が苦手な人でも電卓が使えますし、また、問題の形式に慣れることも対策という面では有効だと思います。簿記や会計学を学んでおくと会社の現状がわかりますから、経営者だけでなく、働く人すべてにとって役立つ分野です。

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秀明大学の総合経営学部は、企業人として活躍できる能力を総合的に備えた人材を育成することを目的としています。幅広い進路に対応するため、「企業会計」「ビジネス」「起業」の3コースが設けられています。企業会計コースは企業の経理部門や税理士等の専門職をめざす進路を、ビジネスコースは一般企業への就職のほか公務員や大学院進学者への多様な進路を、起業コースは、将来、会社を創業し自分で経営したいという進路を歩んでいくコースです。