「言語運用能力」が人命を守る 航空英語の世界

人命を守る航空英語とは
応用言語学は、言語教育や翻訳など、社会の中の言語に関する課題を解決する学問です。その中に、応用航空英語という分野があります。
航空英語とはパイロットや航空管制官が使う、日常会話とはかけ離れた専門用語も含めた特殊な英語です。一方、応用航空英語は航空英語と日常英語を組み合わせた航空英語です。パイロットと管制官の会話の行き違いは大きな事故に直結するため、国連の国際民間航空機関(ICAO)が航空英語の国際標準をつくり、それに沿ったパイロットや管制官の英語力を保証するように各国に求めています。
一語で簡潔に、誤解を招かない表現
航空英語では主語・動詞・目的語などの構文を使わず、なるべく一語で理解できるように工夫されています。無線通信を使うので、限られた電波の枠組みの中で、簡潔に、かつ、誤解を招かない会話が求められるからです。例えば、ドラマでもよく耳にする「Roger(ロジャー)」は、「Received(受けとった、理解した)」を間違いなく伝えるための無線用語です。また、「その指示に従います」はwill complyを略して一語で「WILCO」と言います。一方数字は、例えば30であればthirtyではなくthree zeroのように、基本的に各桁をそれぞれ読み上げて誤解を防ぎます。
応用航空英語の能力をつける教育
日本では、国土交通省や大学、航空会社などが参加して開発した「航空英語能力証明」という国家資格があります。その試験に沿った英語力を身につける教育も、応用言語学の研究課題の一つです。
試験では、専門用語の理解度とともに、緊急事態の場合に使う日常英会話の理解力や滑らかさも評価の対象です。その事態が起こったのか、起ころうとしているのかというような時制を正確に伝える力や、考え込んだり言い直したりせずに話せる能力が求められるのです。そのため、日ごろの日本語の会話において滑らかに話す訓練や、知識が少ない人にも正確に伝わっているかを常に意識する教育も行われています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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