講義No.15914 数学 教育

楽しく算数・数学を学ぶには? 教員の養成・教材・評価法を考える

楽しく算数・数学を学ぶには? 教員の養成・教材・評価法を考える

算数・数学に対する苦手意識

算数・数学がほかの教科と大きく異なる点は、新しい内容を学習する際、それ以前に学んだ知識や技能が不可欠となるため、それらを理解できていないと次へ進みづらくなることです。また、算数・数学で扱う抽象的な概念は具体的イメージが持ちづらいため、難しいと感じる子どもたちが多くいます。そのような中、学校の教師たちは、算数・数学に苦手意識を持つ児童・生徒にいかに意欲を持って楽しく学んでもらうか、工夫を重ねています。実は、教員をめざす学生の中にも算数・数学が苦手だった経験を持つ人が少なくなく、教員養成の段階で算数・数学の面白さを再認識することが重要です。

自ら探究する

自ら探究し、知識を獲得するプロセスは、非常に重視されています。自ら学べる探究教材「負の余りを利用した倍数の見分け方」を紹介します。「余り」という概念を拡大解釈することで、「8の13乗を9で割った余り」を一瞬で知る方法などを探究していく読み物です。「負の余り」を使うと、8を9で割ったときの余りは-1であり、「余りの積は余り」となることを利用すると「8の13乗を9で割った余り」は-1、すなわち8余ることがわかります。教師をめざす学生がこうした教材を体験することで、数学のよさや「考えるプロセス」の大切さに気づき、子どもたちが楽しく学べる授業をつくっていこうとする姿勢が生まれてきます。

自分を評価できる力

また、児童・生徒に対する評価方法の考え方も大切です。算数・数学を学ぶ意味は、テストで高得点を取ることではありません。誰かに「評価してもらう」のではなく、自分は何ができて何ができないのか、自分で自分を知ることが必要です。例えば、単元の最初に、「何ができるようになるためにこの勉強をするのか」というゴールを児童・生徒と共有します。そして単元が終わった後に、ゴールにした課題をどの程度理解できているかを自分で評価させるのです。
このように、学校の授業は、「自ら探究する姿勢」を育む場であることが大切なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

武庫川大学 ※2027年4月、共学化。名称変更。 教育学部 教育学科 教授 神原 一之 先生

武庫川大学 ※2027年4月、共学化。名称変更。 教育学部 教育学科 教授 神原 一之 先生

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数学教育学、認知心理学

先生が目指すSDGs

メッセージ

数学は難しい問題を解くための学問と思われがちですが、数学教育学は人を理解する学問です。「人はなぜ数学を学ぶのだろうか」、「なぜこう考えるんだろうか」、「多くの人が数学問題の同じところで間違うのはなぜだろうか」と考えることが、数学教育学の本性の一端です。人を理解することによって、人の可能性を広げていくことができます。また、数学はさまざまな技術の基礎、社会の基礎をつくっている学問です。算数・数学を教えるということは、大きな社会貢献ができる人材を育てることになるのです。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

武庫川大学 ※2027年4月、共学化。名称変更。に関心を持ったあなたは

『一生を描ききる女性力を。』をVisionに掲げる日本最大の女子総合大学。2023年4月、新たに心理・社会福祉学部、社会情報学部、スポーツマネジメント学科(健康・スポーツ科学部)が誕生。2024年4月には、歴史文化学科(文学部)が誕生し、12学部20学科の女子総合大学に進化しました。文系、理系、スポーツ、芸術系まで多種多様な学びに加え、キャリアセンター・学校教育センターを中心に就職サポートも充実。自らの意志と行動力で可能性を拡げ、生涯を切り拓いていく女性を育成しています。