うつはなぜ生じるの? 思考のメカニズムを探る

うつはなぜ生じるの?
人間は生物としてはとても弱い存在です。他の動物のように強靭な肉体や運動能力は有していません。一方で、言語を用いて「考える」ことで、将来のことを考え、今ある問題を消し去って(解決して)繁栄していきました。
しかしながら、こころの問題は、物理的な問題(暑いからクーラーを開発する)とは違い、「考える」ことが有用な手段になりません。例えば、友達に嫌なことを言われて、嫌な気持ちになったとします。その時に嫌な気持ちを消し去ろうと、どれだけ考えても(例:あの人はなぜあんなことを言ったのか)、嫌な気持ちはなくならない、むしろ余計にしんどくなったりしますよね。このように、物理的な問題では「考える」が有用だったので、こころの問題にも有用だろうと適用するとますます問題が悪化し、うつになってしまうと言われています。
なぜ「考える」のか?
ここで一つの疑問が湧くでしょう。「「考える」が有用でないなら、どうしていつまでも考えるのか?」という疑問です。これまでの研究では、うつの人はいっぱい「考えて」いるので、ネガティブなことをたくさん考えていると思われてきました。しかしながら、研究によって、うつの人ほど、ポジティブなことをたくさん考えているということが分かってきました。つまり、たくさん「考える」人は、幸せになりたい、幸せな生活をしたいと思っているからこそ、「考える」という行動をしている可能性があることが分かってきています。
「考える」への心理支援
「考える」ことがこころの問題を悪化させているとしても、人間が人間である限り、「考える」ことをやめるのはとても難しいことです。では、「考える」代わりに何をするといいのでしょうか。近年の研究では考え自体を観察することが有効であることが分かってきています。心理療法では、マインドフルネスといった言葉でも知られています。自分は今こんなことを考えているのかということに気がつくことで、「考える」から距離を取るという心理支援が行われています。
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