「良い性質」を持つ多項式を探す旅 ゼータ関数にも着目

数学的に「良い性質」?
数学の分野では扱う対象の「良い性質」が重視されます。計算しやすく、理論を簡潔にまとめて、その理論をさらに発展させるために重要な要素で、「滑らか」「例外がない」「対称性がある」などが「良い性質」にあたります。
x、yなどの文字を使う多項式にも「良い性質」を持つものがあります。例えば「xz-y²が正。かつ、xは正」という条件を満たすx、y、zの点を座標上で表わすと、円錐(えんすい)になります。円錐は、回転対称、面対称など「良い性質」があるので、この多項式は「良い性質を持つ」とみなされます。
フーリエ変換できる多項式の条件
「良い性質を持つ多項式」を見つけて、性質を調べることは重要な研究の一つです。さまざまな数学分野や理論、技法を使い、新たな発見が積み重ねられています。その一環として、xのn乗という多項式を「フーリエ変換」という操作で計算すると、yのn乗という多項式の逆数になるという対称性を持つケースの探索が現在進められています。
この種のフーリエ変換が計算できる多項式は限られており、従来その条件は「大きな群作用がある場合」だと考えられていました。しかし最近、大きな群作用がなくても多項式がフーリエ変換できる場合があることがわかり、そこに着目した研究が進められています。
「群」とは「対称操作(対称になる動かし方)」を要素とする集合のことです。大きな群作用がある、つまり群の対称操作がおおむね適用できる場合にはフーリエ変換が可能ということです。先述の円錐になる多項式はフーリエ変換できる例です。
リーマン予想にも関連する?
この研究は、新たな着眼点で多項式をフーリエ変換できるケースを探索すると、「ゼータ関数」が組み立てられる場合があるとの期待で進められています。ゼータ関数とは、素数の分布や個数に関わる関数です。ゼータ関数の対称性に関する証明にもフーリエ変換が使われており、関連が深いのです。
ゼータ関数は現代数学の最大の未解決問題である「リーマン予想」にも関連しています。
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