学校でのウサギやモルモット飼育と子どもの心の変化

学校でのウサギやモルモット飼育と子どもの心の変化

動物との絆

ペットを飼う家庭からは、子どもの優しさなど心の成長を実感する声も聞かれます。しかし、なぜ動物を飼えば優しい子に育つのでしょうか。そのカギは「愛着」にあります。子どもと動物の関係を心理学の観点から調査した研究では、愛着を持って動物を飼っていた子どもは共感性や向社会性が上がったことが明らかとなりました。愛着とはアタッチメントともいわれ、親子や友だちのように仲の良い者同士の絆のことです。実験ではペットの犬と飼い主が見つめ合うと、人同士が見つめ合うのと同様、愛着を感じたときに分泌されるオキシトシンが両者から分泌される結果がでています。

学校での動物飼育の効果

実は学校でウサギなどの動物を飼育することは、家庭のペットと同じように動物への愛着や心の変化を生むことが示されています。動物飼育前、飼育終了時、飼育後約10ヵ月の3時点で調査をした結果、学校で動物を飼育していない児童、動物がいない学校の児童に比べて、向社会性や学校適応が上がったこと、飼育動物への愛着や飼育の行為がそれに関係していることが分かりました。物言わぬ動物の体調や心を気遣うことが、言葉にされない友だちの心の動きを推し量る力も育むのかもしれません。向社会性や学校適応は学校のさまざまな取り組みで育まれますが、動物飼育の効果もまた、数値化により実証されました。

命の大切さを学べる社会に

一方、子どもが動物に触れる機会は減っています。動物を飼っている世帯は約3割で、その90%は完全室内飼いのため、子どもが動物に出会う機会は少なくなりました。しかし、人間だけで暮らす生活で、ほかの動物を思いやること、生物多様性に思いを巡らせることはできるのでしょうか。学校も動物飼育の重要性は認識しつつも難しさを感じています。教員の負担を軽減でき、持続可能な動物飼育のためのさまざまな仕組みも生まれてきています。獣医師や地域の人の協力を得て、すべての子どもが動物と触れ合う機会をつくっていくことが、命の大切さを子どもたちが学ぶために大切なのです。

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大手前大学 現代社会学部  教授 中島 由佳 先生

大手前大学 現代社会学部 教授 中島 由佳 先生

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発達心理学、教育心理学、認知心理学

先生が目指すSDGs

メッセージ

人と桜はよく似ていると思います。桜は風雨に弱いと言わるけど、実は桜は嵐にも強い。寒くても負けずに咲き永らえますが、気温が温かくなると花の代謝が早まって散って行きます。それでも一時にすべての花が散ってしまうのではなく、ひとひらずつ散って、瑞々しい若葉の季節へとドラスティックに変わっていきます。
人もそうかも。辛い時は頑張って耐えるけど、温かい言葉に思わず涙が落ちる。諦めること傷つくこともあるけど、それでも一歩ずつ次の季節、次の希望に向かっていく。出会う。
良い高校生活を送ってください。

先生への質問

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ゆさぶる、ささる、胸を打つ。「胸を打つ教育」の方法として、1)学部の壁を越えて授業を選択できる「学びのクロスオーバー」、2)キャンパス(教室)をとび出してフィールド(街)を探る活動を行う「クロスバウンダリー」、3)教職員が学生一人ひとりと対話し内省(リフレクション)を促す「1on1リフレクション」、4)ダイナミックな環境での多様な学びと交流「ダイバーシティ&インクルージョン」の4つを展開します。本学の「胸を打つ教育」で、自身の内なる資質を開花させ、学び続ける力を修得します。