データサイエンスが地方を救う! 人が少ないからこそできること

AIは地方の問題が苦手
生成AIが学習している大量のデータは、主に大都市で生み出されたものです。そのため、地方の課題を尋ねても的確な答えは返ってきません。地方のデータを学習させようとしても、データを収集するシステムの整備が遅れており、記録されているデータの量が少なく、抜け落ちている部分も多いのです。
「小さなデータ」から知恵を絞る
このデータ不足という課題に対し、地方ならではの解決方法が研究されています。その一つは、足りないデータを別のデータで補う方法です。例えば、交通量の記録がない生活道路では、建物の配置や交差点の形状などの地図情報から交通量を推定します。また、高齢者のデータは多いけど若者のデータは少ない、駅前は記録があるが郊外はほとんどない、といった「抜けのあるデータ」から法則を見つけて、不足を補う統計的な手法の開発も行われています。さらに、自治体や企業と連携しながら、データを収集・蓄積して「育てていく」方法も採られています。
交通計画、健康促進への応用も
これらの手法はさまざまな分野に応用されています。例えば、バスの乗降データと経路検索データを組み合わせることで、利用者の「本当の需要」を読み取り、より使いやすいダイヤ設計に生かす研究が行われています。また、交通事故や急ブレーキの記録と地図情報をAIで分析し、事故が起こりやすい場所を特定して対策を講じる取り組みも進んでいます。さらに、健康診断や診察の履歴をもとにAIが病気のリスクを予測し、生活改善を提案するアプリも実用化されています。
地方には、課題に関係するステークホルダー(利害関係者)が少ないため、企業や自治体、大学が連携しやすく、分野を横断した包括的なデータ分析が可能です。例えば、交通政策の変更が高齢者の外出行動に与える影響、さらにはそれが健康や経済に及ぼす効果まで分析可能になります。地方だからこそ、データに基づいた政策立案(EBPM)が実現しやすいのです。
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