講義No.16097 法学

購入したアプリはいつまで更新される? 契約の「その後」を考える

購入したアプリはいつまで更新される? 契約の「その後」を考える

サービスの「保障期間」

スマートフォンのアプリはしばしばアップデートが行われます。では、それはいつまで続くのでしょうか。もしシステムの不具合が見つかっても、修正されなければ、使い勝手が悪いままです。有料で購入したアプリであれば、なおさら不安に感じるでしょう。しかし、企業に対して「いつまでアップデートしてください」と求める権利は、はっきりと定められているわけではないのです。私たちは当たり前のようにサービスを利用していますが、その「当たり前」がどこまで保障されているのかは、実はあまり知られていません。

修理用部品はいつまで保管?

こうした問題は、アプリだけに限りません。例えば家電製品のメーカーは、購入後の修理に応じるために、部品を保管しておく必要があります。また、病院が作成するカルテについても、過去の診療内容が記録されているため、保管することで患者が再び受診した際の治療に役立ちます。では、これらはいつまで保管し続ける必要があるのでしょうか。商品を買ったりサービスを受けたりする契約は、その場で終わるものばかりではなく、その後も一定の関係が続く場合があります。現代の社会では、こうした「契約後」に関わる問題が増えています。

ルールは整っているか

実は、契約後の関係については、すべて法律で定められているわけではありません。カルテは「診療完結の日から5年間」と保存期間が法律で定められていますが、家電製品の修理用部品の保管期間には明確な法的義務がなく、業界の自主的なルールに委ねられているのが現状です。また、今後は自動運転車のように、ハードウエアだけでなくソフトウエアが価値を持つ製品が増えていきます。その場合、ソフトウエアが更新されなければものの価値は維持できません。契約は「成立したらそれで終わり」ではなく、その後の関係まで考える必要があります。変化する社会に対応するために、新しいルールづくりが求められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

日本大学 法学部 法律学科 教授 蓮田 哲也 先生

日本大学 法学部 法律学科 教授 蓮田 哲也 先生

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契約余後効、民事法学

メッセージ

普段の生活の中で「当たり前」だと思っていることを、少し立ち止まって考えてみましょう。当たり前とされていることには、必ず理由や背景があります。例えば校則も、一見すると不合理に思える規則でも、過去には衛生や安全のために必要とされた事情があったのでしょう。社会のルールや法律も同じで、その時代の課題をもとに作られています。だからこそ、「なぜそれがあるのか」と問い直すことが大切です。当たり前を疑い、その成り立ちを考えることが、新しい考え方や社会の変化につながっていきます。

先生への質問

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