アイデアを成功に変える「技術経営」

アイデアはたくさんあるけれど
企業が新製品を開発するとき、最初に生まれたアイデアのうち、最終的に製品として実用化されるのは10~15%程度にすぎないと言われます。開発においてはアイデアをコンセプトにまとめ、設計や試作など複数の段階で、「次のステップに進む」「やめる」といった評価をしながら進めていきます。このプロセスは「ステージゲートモデル」と呼ばれ、特に初期段階で不確実性とリスクを如何に低減するかが重要です。形になっていないアイデアの段階でリスクを見極め、可能性のあるものを選び出すことが、その後の成功につながるからです。こうした「アイデアの選び方」や「失敗を減らす仕組み」を明らかにすることが、イノベーション研究の大きなテーマになっています。
カギは「オープンイノベーション」
こうした新製品開発の仕組みを考える上で重要なのが、「技術経営」という分野です。これは技術と経営をどのように結びつければ、企業の競争力を高められるかを探る研究です。具体的な方法の1つとして注目されるのが「オープンイノベーション」です。これは企業の内部だけで研究開発を行うのではなく、大学やほかの企業といった外部の知識や人材を活用することで、新しい価値を生み出していく仕組みです。外部の知見を取り入れる一方で、自社の独自技術や知的財産はきちんと守るというバランスを取ることが大切です。
企業の競争力を高めるには
技術経営の観点から見ると、優れた技術だけでは企業は成功しません。重要なのは、技術をどのような戦略で活用するかです。その代表例として知られるのが、自動車メーカーのトヨタです。高い技術力を持ちながらオープンイノベーションも取り入れるなど、技術と経営を戦略的に結びつけることで競争力を高めてきました。一方で、かつてフィルム写真で世界をリードしていた企業が、デジタル化の波にうまく対応できずに衰退した例もあります。技術の変化に合わせて経営の方向性を転換できるかどうかが、企業の将来を左右するのです。
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