講義No.15732 経営学・商学

地域中小企業の持続可能性

地域中小企業の持続可能性

地域経済・地域社会の活性化

日本の企業数の約99.7%は中小企業(2021年度版「中小企業白書」より)であり、中小企業は地域の雇用や産業を支える存在です。しかし、後継者不足や人材確保の難しさから、持続的経営が難しくなっています。中小企業が衰退すれば地域経済も縮小し、地域社会の基盤が揺らいでしまいます。地域中小企業の持続可能性は、地域経済・地域社会にとって大きな課題です。

人材育成と起業家精神

中小企業の「人材育成」と「アントレプレナーシップ(起業家精神)」に着目した研究があります。兵庫県にあるプラスチック製品の開発・製造・販売会社のA社は、中小企業ながらも確かな技術力で、大手ブランドの製品を手がけています。さらに、社内開発したシステムやデジタルツール、ノウハウを社外でも生かすため、優秀な人材を社長にスカウトしてグループ会社を起業しています。研究では、両社経営者に人材育成に関するインタビューを行い、分析した結果、「MK活動」というキーワードが現れました。「み(M)んなで活(K)動、み(M)んなで改(K)善」というMK活動は、創業以来続く業務改善活動で、全従業員が参加します。日々の仕事の中で気づいた課題を持ち寄り、改善策を発表し合います。分析からは、この活動が単なる業務改善だけではなく、人が学び挑戦するという、A社の企業文化や人材育成そのものであり、社内でアントレプレナーシップを育てる土台になっていることが示されました。

人を育てる仕組みがカギ

この事例は、「人を育てる仕組み」を持つ企業が、変化の激しい時代でも持続的に成長できる可能性を示しています。中小企業でも、経験やノウハウを可視化し、社内で学び合う環境を整えることで、アントレプレナーシップの醸成や地域経済への貢献につなげることができるのです。

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芸術文化観光専門職大学 芸術文化・観光学部 芸術文化・観光学科 教授 荒木 利雄 先生

芸術文化観光専門職大学 芸術文化・観光学部 芸術文化・観光学科 教授 荒木 利雄 先生

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メッセージ

失敗を恐れずに、自分で考えて行動してみましょう。うまくいかなかった経験からこそ、学べることはたくさんあります。現状に甘んじず、「やってみよう」と一歩を踏み出すことが新しい価値を生み、社会や地域を元気にしていく力になります。現時点で、将来やりたいことが明確でなくても大丈夫です。これまで触れてこなかった分野に目を向けたり、人の話に耳を傾けたりして興味のアンテナを広げてみてください。そうした積み重ねの中で、自分の方向性は少しずつ見えてきます。

芸術文化観光専門職大学に関心を持ったあなたは

芸術文化観光専門職大学は、令和3年4月に兵庫県の但馬地域に開学した、1学部1学科の県立専門職大学です。本学では芸術文化と観光の2つの視点を生かし、新しい価値を創り出し、地域を活性化できるプロフェッショナルを育成します。
既存の文化資源の掘り起こしや新たな文化を創出し、それを多様な観光資源と結びつけることによって新しい事業を創造し、地域を元気にする。本学はそんな芸術文化と観光の境を越えて双方を学ぶ日本で初めての大学です。