個人情報の入手は簡単? 個人の権利を守る情報社会の法のあり方は

匿名は絶対ではない
「メッセージアプリのトークは外から見えない」「SNSの匿名投稿は自分だとバレない」と思っているなら、それは大きな間違いです。特定の手続きを踏む場合には、捜査機関がデータを取得できる制度がありますし、匿名投稿が他者の権利を侵害するものなら、発信者情報開示制度を通じて投稿者を特定できます。
また、アプリをインストールするとき、通常は規約に同意して使い始めます。規約には、さまざまな目的で個人情報を収集・利用すると記載されていることがあり、自らの情報が思わぬ形で使われることもあり得ます。
スマホのロックを同意なしで解除
情報通信技術の発展は、国家の情報収集のあり方にも影響を与えています。問題は、「技術的に可能な情報収集を、どこまで、どんな手続きがあれば行うことが許されるか」です。
かつて、警察が令状なしに容疑者の車にGPSを取り付けて行動を追う捜査が行われていました。後に違法とされましたが、その後も法整備による問題の整理はされないまま、データの取得一般を拡大するかたちでの刑事訴訟法改正が進められています。
近年は、スマホのロック解除について新たな問題が浮上しています。パスワードを聞き出すことは黙秘権の侵害にあたるためNGですが、指紋や顔認証によるロック解除は「供述ではない」という建前のもと、同意を得ずに解除することがまかり通っています。一般的にパスワードより安全と考えられている生体認証が、捜査の場面では逆に働き得るという矛盾は、既存の法律が想定しなかった問題です。
個人の権利をどう守るか
技術の発展は喜ばしいことですが、情報技術を用いた個人の情報収集の正しさは、権利との関係で問われなければなりません。
私たちの権利を守る根拠となるのは、日本の最高法規の「憲法」です。憲法上の権利は、人々が自由を求めて闘ってきた長い歴史に支えられています。社会や技術がどう変化したとしても、守るべき権利の本質は変わりません。人権を守るために必要なことは何か、問い続けることが求められています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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