一生に一度の成長期を逃さない! 子どもの運動能力を科学で育てる

運動能力は二極化
人間は、ほかの動物のように生後、すぐに動き回る事はできません。約1年かけて立位姿勢が可能となり、その後、約20年の歳月を経て身体機能が完成します。その間、各器官の成長に合わせて身体機能を適切に促進する必要があります。特に幼児期から中高生までは身体的発育発達が著しい時期です。しかし、近年は運動能力の「二極化」が進んでいます。運動が苦手な子は特に「投げる・走る・跳ぶ」という基本動作の能力低下が顕著です。
身長が伸びる「成長スパート」
身長成長に関する研究は世界各国で取り組まれています。身長成長は遺伝的要因も大きく影響しますが、環境要因も影響します。身長成長のピークを迎える頃に過度のトレーニングや何らかの精神的ストレスを生じてしまった場合、身長成長が停滞し、正しく身長を伸ばせなかった子どももいます。身長成長のピークは人生で一度きりの貴重な時期です。適切な身長成長には、適度な運動、バランスの良い栄養および睡眠が重要となります。
成長プロセスを正しく理解する
体の成長は、自分自身では気づきにくいものです。例えば成長スパートの時期には、膝痛や腰痛が起こることがありますが、正しい知識がないと無理をしてしまい、最悪の場合は重いスポーツ障害を抱えることになります。
最近では、部活動やスポーツの現場で理解が進みつつあります。子ども自身も体の成長のプロセスを正しく理解できれば、「今は無理をせず休もう」「よく寝て栄養を取ろう」と、正しい判断が下せるようになります。また、そうした知識や経験を持った人が将来、教育や幼児保育、スポーツ指導を担うことが期待されます。そうなれば、子どもが楽しみながら体を動かす環境づくりや、一人一人に合った指導方法の確立が進み、子どもの可能性を最大限に引き出すことができるでしょう。
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関西学院大学 人間福祉学部 人間科学科 教授 溝畑 潤 先生
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