中国で経済が停滞しても成長し続ける産業は?

中国で経済が停滞しても成長し続ける産業は?

中国経済は本当に順調?

中国は急速に成長した経済大国の一つです。しかし、2010年代後半からはGDP成長率が毎年4.5~5%ほどになって経済成長は落ち着き、不動産価格の急落など新たな課題に直面しています。地方の不動産価格は半額ほどに下がり、大都市の北京でも30%ほど下落したのです。不動産投資をした人にとって、資産である家が半額になるのは深刻な問題です。もし家を売ったとしても戻ってくるお金だけではローンを返せません。お金がなくなり、物を買わなくなる人が増えると、国の経済全体が停滞します。こうした背景もあり、中国はGDP成長率を5%で保つのに精一杯になっているのです。

米中貿易戦争が転機に

中国では経済が厳しい時代を迎えるのと並行して、急成長している分野もあります。ICチップなどを生産する半導体産業です。成長のきっかけは、2017年から続く米中貿易戦争(米中貿易摩擦)でした。アメリカは中国に対する制裁として、ICチップの輸出を制限しました。ICチップがなければ、携帯電話などの機器を作れません。すると、中国政府は半導体産業を国のリーディング産業に成長させる、という目標を掲げ、動き出しました。ICチップを作れる企業を誘致したほか、海外の半導体メーカーで働いていた人々を雇い入れ、国内でICチップを作る環境を整えたのです。その結果、2025年のICチップ輸出額は32兆円にも達し、国を代表する産業の一つになりました。

中国経済の強みとは

中国はゼロから新製品を作ることはまだ難しくても、すでに実践的な土台のある開発技術を短期間で実用化することに長けています。新事業に投資する人が多いこと、国内に大きな市場があること、認可が早いことなどが利点です。さらに、米中貿易戦争をきっかけに製品の品質や機能を向上させ、十分な質を持つものを安価に売り出せる、という自信も生まれました。中国経済には光と影の両面が存在します。その実態を解き明かすための研究が続いています。

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先生情報 / 大学情報

駒澤大学 経済学部 経済学科 准教授 王 穎琳 先生

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中国経済論

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メッセージ

スマートフォン一つで多くの情報が手に入る時代になりましたが、情報量の多さに混乱することもあるでしょう。だからこそスマートフォンから一度距離を置き、その情報は本当に正しいのか、と考える時間を作ってほしいです。また、興味を持っていることを深く研究するには、行動が必要です。やりたい、と考えるだけでなく、勉強など今できることに取り組んでみましょう。さらに、優しい心を持ち、人と協力する姿勢も身につけてほしいです。思考力、行動力、優しい心が、将来イノベーションを生み出すはずです。

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駒澤大学は、2022年で開校140周年を迎えました。その豊かな伝統を守りながら、時代の状況に即した改革を行い、7学部17学科を擁する総合大学となりました。本学の特徴は、緑ゆたかで広大な駒沢オリンピック公園に隣接する閑静な環境にあり、全学部の学生が4年間を、ひとつのキャンパスで学習していることです。そのため、学部の垣根を越えて、充実した教育システムが用意されています。そして、近年の就職不況のなかにあっても、毎年高い就職率を誇っています。