病気と生きる子どもと、その家族を支える看護

家族全体の問題
医療の進歩によって、かつては命に関わった病気でも、今は多くの子どもが長く生きられるようになりました。ただ、慢性的な病気にかかった子どもの入院や通院には、家族への大きな負担が伴います。子どもの入院には保護者が付き添わざるを得ないケースが多く、仕事を続けられなくなることで経済的に追い詰められることや、それにより家族が崩壊してしまうこともあります。退院後も自宅での医療的なケアが必要な場面が多いものの、子どもに対応できる訪問看護のサービスはまだ十分ではなく、保護者が担わざるをえません。そのため、家族全体の生活の再構築を支えることも、小児看護の重要な役割になっています。
見た目では伝わらない
病気によっては、見た目にはわからない困難を抱えながら日常生活を送ることになります。例えば腎臓移植を受けた子どもは、感染を防ぐための種々の制限や、運動の制約を抱えていますが、外からは健康に見えるために周囲の理解が得られず、戸惑いや孤立感につながることもあります。学齢期であれば、学校の協力や理解があるかどうかで、子どもが病気と前向きに向き合えるかどうかが大きく変わることがわかっています。「学校との関係構築」が保護者の課題となってくるのです。
経験者の声を次の家族の力に
こうした生活上の課題に対し、子どもと家族の「生活体験」に着目する研究が進められています。子どもの慢性疾患は患者数が少ない上に、幼児期から高校生まで、発達段階によって直面する問題は全く異なります。そのため、一人一人の経験を丁寧に記録し、似た状況になった家族が役立てられる形にまとめる必要があります。そこで、実際にどのような困りごとや工夫があるのかを、インタビューやSNSなどから丁寧に集めていきます。その上で、同じような状況にある人が参考にできるような情報として整理し、共有する仕組みを作ります。最終的な目標は、年齢や状況に応じた実践的な知恵を集めたプラットフォームを構築することです。
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先生情報 / 大学情報

大阪歯科大学 看護学部 看護学科 准教授 高尾 憲司 先生
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