釣りの餌も多くは外来種 生態系への懸念は?

釣り餌の大半は輸入
外来種といえば、ブラックバスやアメリカザリガニなどが有名です。しかし、釣りに使う餌も、実はその多くが外来種なのです。日本で釣り餌の供給量はどんどん減少しており、輸入に頼らざるを得ない状況です。現在釣り餌の大部分が韓国や中国から輸入されています。
釣りが終わった後に、「魚が食べてくれる」「魚の餌が増えれば良い」と思って餌を海や川に逃す人がいます。それらがそこに定着して外来種になるケースが増えています。餌には魚類や貝類、甲殻類、多毛類などいろいろな種類がいますが、いずれも人を傷つけたり農作物を食い荒らしたりするわけではないため、今のところ外来種の法規制の対象にはなっていません。
全国で脅かされる在来種
釣り餌由来の外来種は、人への影響は今のところ確認されていませんが、同じ地域に生息する在来種への影響は懸念されています。例えば、釣り餌の1つであるチュウゴクスジエビは、2005年時点では国内で静岡県のため池でしか発見されていませんでした。ところがその後の調査で、広島県の川でも見つかり、2025年には31の都府県で生息が確認されています。侵入・定着した外来種は、在来種の餌やすみかを奪う場合があります。また、外来種と在来種が近い種だと、交雑が起きてしまいます。すると、特に希少な在来種だった場合は数をさらに減少させるきっかけになります。また、同種の場合では遺伝子を調べない限り、在来個体群か外来個体群か特定できなくなってしまうこともあるのです。
その生き物はどこから来た?
外来種が入ってくることを防ぐためには、生き物に関わる一人一人が「その生き物がどこからきたのか」を意識することが大切です。今触れている生き物が外国から来たことを知ってさえいれば、「逃してはいけない」と判断できるでしょう。その判断を手助けするために、在来種との見分け方や、野外で出現したという情報の発信が必要とされています。
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