アスリートのカロリー制限 長期と短期でどちらが効果的?

アスリートの体を生理学的に解明
アスリートの体づくりにおいて、トレーニングや栄養、食事のとり方は重要な要素です。これらの要素について、実際に体の中ではどのような現象が起きているのかを解明するため、生理学的な研究が行われています。動物実験で筋肉の状態などを分析し、アスリートのパフォーマンスを向上させる戦略的な方法の開発に貢献することをめざします。
ボクシングと体操の違い
スポーツにはカロリー制限が必要な競技があります。例えば柔道やボクシングのような階級制の競技では、計量日に間に合うようスケジュールを組み、試合の2~3週間前からカロリー制限を始めて減量します。一方、フィギュアスケートや体操競技の選手は年間を通じてカロリー制限をしています。
このようにカロリーを制限する期間の違いで、体には差異が現れるのでしょうか。それを調べるために、マウスを使って2週間と8週間のカロリー制限を行う実験が行われました。筋肉と脂肪の量は、2週間、8週間ともに、カロリー制限なしの場合と比べると減少していましたが、8週間は2週間に比べてより筋肉量が減る一方で、脂肪量は2週間よりも多くなっていました。これは長期のカロリー制限を行うと、体が消費エネルギーを節約しようとするためだと予想されます。
チートデイは効果的?
こうした結果から、脂肪を減らして筋肉を減らさないためには、短期的なカロリー制限の方が効果的である可能性が示されています。研究ではさらに、カロリー制限開始から3日後、7日後、と細かく追うことで、どのようなプロセスで筋肉量や脂肪量が変化しているのか、そのメカニズムを明らかにしようとしています。
スポーツの減量では、省エネモードになっている体の正常化やストレスマネジメントの目的で、1日だけ高カロリーを摂取する「チートデイ」が取り入れられています。カロリー制限で体に起こる反応のメカニズムがわかれば、チートデイの効果やより正しい取り入れ方なども明らかになるでしょう。
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