私にもできることがある! 作業療法で生活や人生を支援

人の3つの活動を支える
人の活動は、歯磨きや食事などの「日常生活活動」、仕事や学習などの「生産的活動」、そして趣味などの「余暇活動」の大きく3つに分けられます。病気や障害などにより、これらの活動が突然できなくなってしまうことがあります。作業療法とは、人の生活のあらゆる活動を重視する治療法です。対象となる人がこれら3つの活動を取り戻し、自分らしい生活を送れるように支援するのが作業療法士です。理学療法士が主に基本的動作の改善に焦点を当てるのに対し、作業療法士は人の生活全般を包括的に支援する専門職です。
その人にとって意味のある活動の効果とは?
作業療法学には、「人間作業モデル」という注目されている理論があります。人の心身機能だけでなく、能力の認識、価値観、興味、役割、生活習慣、環境といった要素を総合的に重視し、必要な治療方法を考える実践モデルです。例えば、脳血管障害となった患者を対象とした研究では、従来の身体機能中心の治療と人間作業モデルを用いた治療を比較した結果、後者の方が、対象者の生活の質(QOL)を大幅に改善させることが明らかになりました。これは、対象者が自分にとって意味のある活動を取り戻すことで、「病気になってもできることがある」という有能感を得られるためであると考えられます。
評価指標も開発
作業療法学の研究は、患者・クライアント一人一人の生活や人生と向き合う支援へと進んでいます。人間作業モデル以外にも、人の個別性を重視する理論が次々と開発されています。
一方で、対象者から信頼されるセラピスト(作業療法士、理学療法士、言語聴覚士)に必要な技能についても研究が進んでいます。27項目からなる自己評価スケールが開発され、セラピストが自分の技能を客観視し、改善点を見つけることが可能になりました。興味深いことに、特別な技能を身につけるよりも、対象者の思いを傾聴することやそれに基づく目標設定など、基本的な技能が重要であることが科学的にも明らかになっています。
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