子どもは「誰から学ぶか」を選んでいる 心の発達を検証する

2歳児に芽生える「見られている自分」
子どもはいつから大人の世界を意識し始めるのでしょうか。実は大人が想像するよりずっと早い時期から、子どもは周りの大人をよく観察し、自分の振る舞いを組み立てています。研究では、初対面の相手にカメラを向けられた場面で、2歳前後の子どもがポーズを取り始めることがわかってきました。「見られている自分」という意識が、この年齢で既に芽生えているのです。自分のことがわかり始めるのは2歳前後と言われてきましたが、同じ時期に「他者から見られている自分」を意識する心も育っていきます。
信頼できる人を見極める?
子どもの観察力は、言葉の学び方にも表れます。3~5歳になると、大人が「これ」とあいまいに言ったときに、それまでの会話の流れから何を指しているかを判断できるようになることが、研究でわかってきました。文脈に沿って言葉を解釈する力が、この時期から育つのです。
さらに、大人同士の会話がかみ合っている場面とかみ合っていない場面を見せると、子どもは、会話がかみ合っていた大人から優先的に新しい言葉を覚えることもわかりました。発達心理学では「選択的信頼」と呼ばれる現象です。また、話す人の専門性を想像して、話を聞く相手を選ぶこともします。大人の不誠実な態度や自信のなさは、意外なほど幼児に伝わっています。誰から学ぶかを、子どもは早い時期から自分で選び始めているのです。
発見にあふれた関わり方を
何気ない大人の声かけや態度は、思っている以上に子どもに届いているものです。子どもがどんなふうに大人を見て、世界をとらえているのか、実験で明らかにしていく研究は、子どもを見るときの解像度を高めます。解像度が上がると、子どもの行動は「言うことを聞かない」ではなく、「自分なりに考えて行動しているのかもしれない」と想像ができます。その心の動きに気づければ、関わり方も自然と変わります。子どもと向き合う日々は、もっと発見にあふれた豊かな時間に変わっていくはずです。
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