MR技術で空間認知機能をチェック! 広がるリハビリの可能性

紙の検査だけではわからない空間認知
認知症、脳血管障害、交通事故による脳損傷などで、「空間認知機能」が低下することがあります。空間認知機能とは、自分の左側にドアがある、少し先に曲がり角があるといった、周囲の空間を正しく認識する力のことです。その力の検査は、主に机上での紙のテストで行われてきました。ところが、紙の検査では異常がなくても、実際の活動ではうまく認識できていなかったという人もいます。
そこで注目されているのが、MR(複合現実)技術です。この技術を使えば、専用のゴーグルなどを装着して今いる空間にデジタル映像のランダムな数字を浮かび上がらせ、順番に探して消していく、といった検査が可能になります。健常な高齢者を対象にした研究では、紙の検査で異常が見つからなかった人でも、MR検査では異常が検出されるケースがありました。
車の運転能力も判定
例えば、空間認知機能が低下している人が車の運転をすると、重大な事故につながる恐れがあり、空間認知機能の低下を見逃さないことはとても重要です。MRを使った検査を行えば、安全に運転できるかどうかを判断する上で、より精度の高い判定が可能になると考えられます。
そしてこの検査はトレーニングにも応用できます。繰り返し取り組むことで、認識できていなかったものが認識しやすくなったり、「左側を認識しにくい」という自分の弱点に気づき、そちらに注意を向ける意識が生まれたりします。それが日常生活の安全へとつながるのです。
リハビリの理解に
アイデア次第でMRの活用はさまざまな形に広がります。空間認知機能が低下している人の物の見え方や、認知症の人が見ている世界をMRで疑似体験できれば、そうした人たちへの理解が深まり、きめ細かなサポートが可能になるでしょう。実際の風景とデジタルコンテンツを融合して見せるMRは、違和感が少ないという利点もあります。あらゆる作業が治療の手段になり得る作業療法では、リハビリにMRを積極的に活用していくことが期待されます。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報

![選択:[SDGsアイコン目標3]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-3-active.png )
![選択:[SDGsアイコン目標4]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-4-active.png )
![選択:[SDGsアイコン目標10]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-10-active.png )