社会に広がるデータの生態系 価値を生む「相性」を分析

社会に広がるデータの生態系 価値を生む「相性」を分析

データの再活用(リサイクル)が急増

一つの組織がある問題を解決するために膨大なデータを集め、データサイエンスを用いて分析したとします。その後、従来はそのデータは組織内で死蔵されていました。しかし現在、使われたデータをほかの組織や人が別の目的で活用することが増えています。例えば、天気予報や学術研究に使われていた衛星画像データを使い、各地域の夜の明るさと経済活動の活発さの関連性を分析して、投資などに生かす事例もあります。
このように、データはリサイクルによって「売れる資源・資産」になったのです。データを売買するプラットフォームを利用する企業も数千社と急増しています。データを資産として決算書類に記載するべきだという議論まで生まれています。

ルールづくりが急務

ただ、データのリサイクルや売買に関しては、価格の基準や規則に関する法律や仕組みが追い付いていない現状があります。例えば、データは数える単位がない、コピーが簡単で無限に供給できるなど、普通の商品とは異なる性質があるため、ルールづくりが急務になっています。また、買った人がデータの由来を知らずに分析することで、結果が不正確になるという問題も起きています。
注目されているのが、「ソーシャル・データサイエンス」という新しい学問領域です。人とデータ、データとデータの結びつきがどのような価値を生むのかなどを分析し、データを取り巻く「エコシステム(生態系)」や、データ活用の新たなあり方を考える学問です。

組み合わせをアルゴリズムで見つける

ソーシャル・データサイエンスでは、データがどのようにつながっているかを可視化する、どんなデータが人の興味を集めやすいか、人気なのかを分析する、といった研究も行われています。データ同士の「相性」を見つけるアルゴリズムの開発も進められています。価値を生むデータの組み合わせを判断するシステムが実現すれば、データを扱う企業の合併・提携などの判断材料にも活用できると期待されています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部 ソーシャル・データサイエンス学科 准教授 早矢仕 晃章 先生

一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部 ソーシャル・データサイエンス学科 准教授 早矢仕 晃章 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

情報通信、データエコシステム

先生が目指すSDGs

メッセージ

本学のソーシャル・データサイエンス学部は、2023年に創設されました。学問としても新しい領域なので、若手研究者がたくさん活躍しています。学生を巻き込みながら、この学部と学問をこれから育てていこうという気概にあふれ、スタートアップ企業のようなエキサイティングな活気があります。失敗を許容する文化もあり、たくさんの試行錯誤から優れた研究が数多く生まれています。情報に興味がある、または社会・経済に興味があるなら、大いに活躍できる場だと思います。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

一橋大学に関心を持ったあなたは

一橋大学の大きな特色として、まず第1に挙げられるのは、我が国で最も伝統のある社会科学の総合大学として、常に学界をリードしてきたという長い歴史と実績、並びにこの伝統を受け継ぎ、人文科学を含む広い分野で、新しい問題領域の開拓と解明を推進する豊富な教授陣に恵まれていることです。第2は、商学部・経済学部・法学部・社会学部の垣根が低く、学生は各学部の開設科目を自由に履修することができます。また、10人から15人程度の少人数で行われているゼミナール制度(必修)を核とする少数精鋭教育も本学の特色のひとつです。