患者の生体情報をAIが判断 計測機器のさらなる進化は

生体情報の判断は簡単ではない
医療機器は医療の現場に欠かせません。特に生体計測機器は体温や血圧、脈拍、呼吸数、血中酸素濃度など患者の生命に関わる情報をリアルタイムに測定します。これらの数値を医師や看護師が読み取り、患者の状態を把握します。とはいえ、その数値の解釈は簡単ではありません。単に高いか低いかだけでなく、変化の度合いも重要な判断材料となるからです。
また、危険な状態を知らせるために生体計測機器にはアラーム機能が設けられていますが、その基準値の設定も容易ではありません。設定が厳しすぎると頻繁に警報が鳴って医療従事者の負担が増えます。逆に緩すぎると異常の発見が遅れる恐れがあります。
AIがわずかな波形の変化をとらえる
そこで進められているのが、生体情報の計測にAIを活用する研究です。例えば、指先に装着した装置から光を照射して、脈拍を測定する機器があります。その機器で得られる脈拍の波形(脈波)と患者の状態の関係性をAIに学習させるのです。人間では気づきにくいわずかな変化もとらえられるのがAIの強みで、不整脈や呼吸停止などの異常を早期に検知する可能性があります。一時的なノイズと本当に危険な変化を区別し、不要なアラームを減らせるといった効果も期待されます。
広まる医師とAIの協働
脈拍以外にも、さまざまな生体情報にAIを活用する研究が進められており、重要性は今後ますます高まっていくでしょう。ただし、AIはあくまでも支援ツールであり、最終的な判断は医師が行う必要があります。患者の訴える言葉や表情、診断が微妙な症状など、AIに学習させるのが難しい大事な判断要素が存在するからです。生体計測機器などが集めるデータをAIが分析し、それを基に医師が総合的に判断するという流れは、これからさらに広まっていくと考えられます。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報

![選択:[SDGsアイコン目標3]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-3-active.png )
