病院内に潜む「隠れた危険」を見える化する!

病院内に潜む「隠れた危険」を見える化する!

増加する電波で生じる医療機器のトラブル

医療の現場では、さまざまな機械や設備が使われています。それらは大きく進歩し、かつては救えなかった命も救えるようになりました。しかし、機械である以上トラブルは避けられません。患者の命を危険にさらす恐れもあります。近年は心電図などを遠隔監視する「医用テレメータ」など、電波を使ってデータを送受信する医療機器が増えました。それに伴い干渉や混信による異常動作も増えています。実際に、医用テレメータが危険を検知したにもかかわらず、アラームが鳴らず事故が発生しています。

電波による危険を自動で知らせる

異常動作を防ぐためには、まずは電波環境を調べることが重要です。病院は広く、場所によって電波環境が異なるため、院内のさまざまな場所を調査します。その際には、携帯電話やWi-Fi、ノイズを放射するLED照明などの影響も考慮する必要があります。こうして集められたデータを分析・評価して、どの程度の電波強度で、どのような影響が、どの機器に現れるのかを明らかにします。そして、自動で電波をモニタリングし、危険を知らせる機器やシステムの開発へとつなげていくのです。
また、実験で得られたデータは電波利用機器の使用ルールの策定、病院の設計などのルールづくりにも活用されます。

AIにより危険の回避も可能に

これまでは、電波による異常が起こったときに「危険を知らせる」までにとどまっていました。しかし、AIを活用することで、今後は「このような数値が現れたら異常が起こる可能性が高い」といった予測が可能になります。事前に危険を知らせて回避できるようになるなど、さらなる進歩が期待されます。
その一方で課題も多くあります。例えば、せっかく開発しても高価だと普及は進みません。また、そもそも電波環境に関心を持たない病院も多いのが実情です。このような低コスト化と啓発の双方の取り組みが進められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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埼玉医科大学 保健医療学部 臨床工学科 准教授 川邉 学 先生

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臨床工学、生体医工学、医用生体工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

「こういうモノがあれば便利なのに」「こんな仕組みがあればいいのになぁ」、そんな思いを持っているなら、漠然としていても構わないので、そういう思いは大切にしてください。将来の進路や研究のテーマになり得るからです。思いを掘り下げることで目的が明確になります。目的が明確になれば、大学での勉強も充実したものになります。仮に思い通りに行かなくても、目標に向け計画を立て、努力することは無駄にはなりません。将来、社会人として自立していくための基盤となるからです。

先生への質問

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埼玉医科大学は、医学部と保健医療学部(看護学科・臨床検査学科・臨床工学科・理学療法学科)からなる医療系総合大学です。教員と学生がともに学び合う「師弟同行の学風」でサポート体制が厚く、関連3病院と連携しているので、低学年から最先端の医療技術に触れる機会も充実しています。
患者さん中心の医療を徹底できる「すぐれた医療人」の育成を実践しています。ぜひ、この機会に埼玉医科大学の学びに触れてみてください。