観光地の魅力を伝えるカギは推し活にあり! 人が動く心理を分析

「お金があれば観光に行く」はホント?
「宝くじが当たったら観光に行きたい」と言う人がいませんか。そう聞くと、お金や時間さえあれば、人は観光に行くように思えます。しかし実際には、どんなに条件が整っていても「行きたい」という気持ちがなければ、行動には移りません。観光地の魅力をどのように伝えれば、観光者の「行きたい」気持ちが高まり、行動につながるのかを研究するのが、観光心理学です。
代替性のない「推し活」
観光対象の魅力を決めるのは「代替性」、つまり代わりになるものがどれくらいあるのか、またはないのかです。代替性が少ない観光対象は、魅力が高くなります。代替性のない最たるものが、「人」です。好きなアーティストのライブに行きたいという思いは人を強く動かします。いわゆる「推し活」の一環で日常の外へ出ていくこと、これは「ファンツーリズム」と呼ばれ、近年注目を集めています。
ファンの行動について、10年間分のスケジュールやブログなどの記録を参考に、インタビューを加えて分析した研究があります。調査の結果、行動範囲が年々広がっていくなど、移動の実態が見えてきました。ライブへの参加だけでなくファン同士の交流が生まれ、推し活のために働き始めるなど、推し活を通じて活発になるファンの姿がありました。
観光者が撮影する写真に注目
代替性がないというファンツーリズムの研究は、自然を対象とした観光の研究にも応用されています。観光者がスマホで撮った写真に注目し、「なぜこの写真を撮ろうと思ったのか」「どこに心を動かされたのか」を分析して、人の心を惹きつける、代替性のない魅力を探すのです。
近年はバズった場所に人が集中する傾向があり、オーバーツーリズムが問題になっています。自然も同様で、多くの人が訪れすぎることが悪影響を及ぼすことも少なくありません。各地の魅力がうまく発信されれば、観光者が分散し、オーバーツーリズムの解消にもつながります。地方への観光客誘致など、マーケティングの視点からも分析手法の構築が期待されます。
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流通経済大学 共創社会学部 国際文化ツーリズム学科 教授 幸田 麻里子 先生
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