法律の例外はどこまで許される? 人が判断する余地の範囲は

宿題忘れ4回はセーフ?
スマートフォンの修理保証に「誤って壊した場合は保証しません」と書かれていたとします。では、わざと壊した場合はどうでしょうか。「誤って壊してないから保証される」と考えるべきでしょうか。この場合、「誤って壊した場合でさえ保証されないのだから、わざとの場合にはなおさら保証されるはずがない」と考えるべきです。
人は、「ルールに書かれていない場合には逆の結論になる」と考えてしまうことがあります。「宿題を5回忘れたら補習」と言われたら、「4回まではセーフ」と受け取る生徒の考えにも似ています。ルールは、文字だけではなく、目的や使われる場面も考えて読む必要があります。
条文だけでは決まらない
法律は、条文を読めば答えが自動的に出るものだと思われがちです。しかし実際の裁判では、法律のルールと事件の事実を突き合わせて、どういう答えが適切か、説明しなければなりません。同じ条文をもとにしても、裁判官によって結論が分かれることもあります。
では、法律家は、どのように考え、結論に到達しているのでしょうか。それを知るには、法を使う人の立場になって考えるだけでなく、その考え方そのものを少し離れた位置から観察する視点が必要です。
現実はルールより複雑
法学で最初に学ぶ「法的三段論法」は、ルールと事実から結論を導く考え方です。その際に重要なのは、適用すべきルールや例外を見極めることです。たとえば、契約を結んだら守るべきですが、詐欺や強迫によって結ばされた契約なら取り消せます。刑法でも、通常は犯罪になる行為が、正当防衛や緊急避難として処罰されない場合があります。例外が認められるのは、現実が複雑だからです。また、あえて細かく決めず、裁判官の判断に委ねる余地を残す法律もあります。どのようなルールが適用されるかを考え、そのルールを事実に当てはめることで結論にたどり着く思考プロセスが「法的推論」です。どんなに細かく決められた法律にも、人が判断すべき余地は残されています。
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