「わらべうた」が育てる、音楽と人の関わり

「わらべうた」が育てる、音楽と人の関わり

歌うだけじゃないわらべうた

「わらべうた」といえば、「おちゃらかほい」や「かごめかごめ」などが思い浮かぶでしょうか。わらべうたの中には、単に歌を歌うだけではないものが多くあります。「おちゃらかほい」は2人が向かい合って手合わせする遊びであり、「かごめかごめ」は鬼が後ろにいる人を当てるゲーム的要素があります。
わらべうたとは、歌、リズム、体の動き、遊び、人との関わりなどが一体となって埋め込まれている遊び文化といえます。わらべうたが注目されるのは、声や動きを通して、大人と子ども、子ども同士の関係性を自然につくる力があるからです。

「作り替わる」面白さ

わらべうたの特徴の一つは、大人から子、友達同士へと口伝えで受け継がれてきたことです。楽譜を見てではなく、人の歌や遊びを見聞きし、まねをしながら少しずつ覚えていきます。ピアノなどの伴奏はないので、アカペラで楽しむことができます。
また、柔軟に作り替えられる点も面白いところです。例えば「お寺の和尚さん」は、「芽が出て膨らんで、花が咲いたら……」で終わるものもあれば、その後に「枯れちゃって、忍法使って空飛んで、東京タワーにぶつかって……」と続くものもあります。この違いはおそらく世代や地域性によって生み出されたものでしょう。一緒に遊ぶ相手によって自由に変わっていく、その柔軟さもわらべうたの大きな特徴です。

主体的に音楽を楽しむ教育を

わらべうたの歴史をひもとくと、古くは平安時代後期の記録が残っています。以来、人々の生活や遊びの中で伝承されてきました。1960年代になると音楽学者や保育・教育関係者からの注目が集まり、保育・教育の現場にも積極的に取り入れられるようになりました。
現在でも、わらべうたを通して子どもが声や音、リズムを楽しみ、遊ぶ経験が重視されています。子どもは大人が思う以上に音や動きを豊かに感じ取っています。その力を音楽表現の育ちへどうつなげていくのか、わらべうたの研究は、子どもの主体的な音楽活動を促進する手がかりにもなっています。

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聖心女子大学 現代教養学部 教育学科 准教授 長井 覚子 先生

聖心女子大学 現代教養学部 教育学科 准教授 長井 覚子 先生

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音楽教育学

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メッセージ

「すてきだな」「やってみたいな」という気持ちは、学びの大切な原動力です。「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、そうであるからこそ自分なりの工夫や試行錯誤ができます。そして、そのことは将来、保育者や教育者になったときに必ず強みになります。また、子どもたちは先生が好きなモノ・コトを通して新しい世界に出会うことがあります。先生の姿を見て、子ども自身の興味も広がっていくのです。高校生の今、自分の好きなことに一生懸命取り組んでください。その経験が、いつか誰かの世界を広げることにつながるはずです。

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聖心女子大学は「2年次進級時に希望の学科を選べる」カリキュラムが特長です。入学後に、英語文化・文学・哲学・歴史・人間と社会・国際交流・心理・教育などの学問分野から興味関心に合わせて幅広く学び、2年進級時に希望の学科専攻を選択します。各専門領域の特徴を理解した上で学科選択でき、明確な目的意識を持って2年次以降の学科・専攻に進むことができます。また、自由に意見を述べ、議論する機会が多く、他者の考えにも触れながら、多角的で柔軟な思考力を育みます。学生同士で学び合い、成長を実感できる大学です。