車の自動運転を可能にする技術とは 「移動体通信」の未来

需要とともに混み合う電波
スマートフォンなどの移動する端末での通信を「移動体通信」と言い、その需要は増え続けています。例えば自動運転では、センサで検知した現実空間の情報を、サイバー空間に送ってシミュレーションし、結果を車に返すデジタルツインの研究が進んでいます。
自動運転が普及すれば、情報通信量は膨大になります。しかし、電波の周波数帯は限られており、割り当てられた枠内で混線することなく通信しなければなりません。また、人や車が混み合った場所でも情報処理が滞らないように、電波の中継点が多数必要ですが、基地局の設置にも限度があります。
ドローンを基地局に
この問題を解決するため、普通の車やドローンで電波を中継する方法が研究されています。車やドローンが電波の混雑地域に入った時、中継機能を作動させ、情報処理を分散できるようにする技術です。
中継機能を持ったドローンは、災害で基地局が故障した時にも使えます。AIを搭載した複数のドローンを飛ばし、避難所など通信の需要が高い場所を探索させます。この時、ドローン同士の距離を適切に保ち、途切れない通信ネットワーク構築することが必要です。通信端末も中継点も常に移動し、被災状況も変化するため、臨機応変な対応を自律的に行えるよう、AIの学習方法が研究されています。
通信用電波でセンシング
自動運転では、障害物を検知するセンサが多数必要になります。そこで、通信用の電波を使ってセンシングする研究もなされています。通信用の電波は、さまざまな障害物に当たって反射して通信します。この、反射した電波から障害物の存在や形状が特定できれば、センサとして使えます。電波なら車載カメラでは見えない場所にも回り込んで検知することもでき、より詳細に空間を把握できるメリットもあります。この技術は「ISAC(Integrated Sensing and Communications)」と呼ばれ、未来の技術として期待されています。
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