ICUは、日本初の4年制「リベラルアーツ・カレッジ」として長年にわたり世界を舞台に活躍する人材を多数輩出してきました。本学の学びは、“Later Specialization(専門化を遅らせて、広く学ぶ)”という考え方に基づいています。学生には、さまざまな知に触れることで複眼的な視点や柔軟性を身につけ、すべての学問に通じる基礎を築いたうえでじっくりと専門を見極め、自己の関心に応じて主体的に科目を選択することを推奨しています。こうしたカリキュラムを最大限活かすために、教員対学生の比率は1:19と少人数教育で授業を展開し、専任教員によるアドヴァイザー制度や、アドヴァイジング・スタッフ(職員)や学生アドヴァイザーによるアカデミックプランニング・サポートなど、学生の学びを支援しています。本学の学びを通して、学生たちは専門知識だけでなく、思考力やコミュニケーション能力を養い、身につけた知識をどのように統合して使うのか訓練していきます。
主に日本語を母語とする学生全員が履修するリベラルアーツ英語プログラム(ELA)は、学生の英語力を向上させると同時に、ICUで効果的に学ぶための思考力と技術を養うプログラムです。あるテーマに関連した文献を読み、議論し、小論文を書くといった学術活動に取り組むなかで、創造的、批判的、主体的に考える力を身につけていきます。授業は1クラス約20人の少人数制で、学生同士、教員との活発なディスカッションに重きを置き、授業外では、学生一人ひとりの学びにあわせた個別指導で、論理的なレポートの記述方法などの指導を行っています。刺激的な学習環境のなかで行う、リベラルアーツへの重要な導入教育といえます。
1・2年次は学問的基礎力を養いながら興味のある分野を絞り込み、2年次の終わりに文理にわたる30あまりのメジャー(専修分野)の中から専門を決定します。どの分野も、他の大学の学部に相当する科目群を配し、専門を系統的に学ぶことができます。またひとつのメジャーを専攻するだけでなく、ふたつの分野を組み合わせることも可能です。メジャー決定後も他のメジャー科目を自由に履修でき、多角的な視点から専門を深めていきます。学びたい分野が明確な場合は、決定前から特定のメジャーを深めることも可能です。また、3年次以降も選択したメジャー以外の授業を履修することができます。
このような世界基準の環境は、イギリスの高等教育専門誌「THE」が2021年3月に発表した『THE世界大学ランキング 日本版2021』において、私大で3年連続総合1位との評価を得ています。
学問の垣根を超えて「広く、深く学ぶ」リベラルアーツ。その目的は、何を専門としてどのような職業に就くのかではなく、「いかによく生きるか」を見つけることにあります。リベラルアーツによって培った考え方やアプローチの仕方は生涯にわたる力となり、広く深い学びに裏打ちされた確かな思考力は、時代が変化してもあらゆる場面で活用していくことができます。