現代社会のニーズに適応した人材を育成するため、2021年度より専門教育を担う「コース制」を再編しました(外国語学部<昼間部>入学生に限ります)。コースは、言語・文学・文化に習熟し、柔軟な言語運用能力と批判的思考力を身につける「語学文学コース」、国際社会の諸問題に向き合い、平和秩序の形成に必要な構想力を培う「国際法政コース」、経済学・経営学・商学の知見をもとに、現代の諸問題の深層に至る力を養う「経済経営コース」、世界の諸課題を見据え、多様な文化的背景を持つ人々と共生する力を育む「多文化共生コース」、多様な学問領域から世界の根源的な問題を掘り下げ、自由で豊かな発想力で次代を創造する「リベラルアーツコース」の5つです。
従来、「3年次」からコースに所属し専門科目を履修していましたが、「2年次」からコースに所属します。国際関係学科では2つのコース選択(「主専攻」及び「副専攻」。「語学文学コース」は選択不可)を必修とすることで、より専門性を追求し複眼的な専門教育を実施します。このような専門教育の学習時間を拡充する再編により、伝統ある語学教育に支えられた高いコミュニケーション能力と、専門教育により培われた確かな洞察力、その2つの武器を兼ね備えた「行動する国際人」を育成していきます。
国連が全面支援する世界最大規模の教育活動が、「模擬国連世界大会」です。世界中の大学生が参加し、担当国の外交団になりきって国際社会が直面している問題を英語で議論し、実際の国際合意形成の手法を模して全力で決議をめざします。その過程で国際問題を解決する難しさや、国際協調の重要性への理解を深めます。本学では、英語力や会議でのコミュニケーション能力を磨く「模擬国連」の関連授業を開講し、全学的に学生が履修できる環境を整えており、語学力の先にある国際性を身につけることができます。
2016年には本学がホスト役となり、日本で初めての「模擬国連世界大会」を神戸で開催し、世界各国から330名の大学生が参加しました。2020年の開催が新型コロナウイルス感染症の拡大により2022年に延期になりましたが、本学は、今後もホスト役として世界大会を開催していきます。
大学開学以来、毎年実施し、70年の歴史を持つ「語劇祭」は本学の伝統行事です。各学科の有志が、専攻言語を用いて約2時間の劇を一般観客に向けて披露します。演目の決定、衣装、照明、音響、舞台装置、日本語字幕のすべてを学生主体で行います。発声・発音、方言は勿論、演劇自体のクオリティ-までを含め、その完成度は高いと定評です。どの学科も普段の授業で語学修得レベルを向上させていますが、例えば中国学科では、1年生を対象に発声の朝練を実施するほど、ひとつのものを皆でこだわりを持って創り上げていきます。
これも課外活動が盛んな本学ならではの特徴であり、授業以外においても学生が高いレベルを追求でき、学びを深められる環境が神戸市外国語大学にはあるのです。「THE 世界大学ランキング日本版2021」の「分野別ランキング・国際性」部門で国内トップ10にランクインしたのも、本学の国際的な教育環境が評価された証です。