文系理系、学部や専門分野が異なっても、仕事や研究の進め方は共通するところがあります。富山大学では、全学部において入学から卒業まで一貫性をもった数理・データサイエンス教育を行い、社会に貢献できる人材を育成します。
具体的な教育内容は、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」の認定を受けた、数理・データサイエンス・AIを活用する基礎的な能力を育成するプログラムとして、1年次に全学部の学生がデータサイエンス入門科目「情報処理」を受講。数理・データサイエンスと情報処理の基礎を各自パソコンを操作しながら学修します。さらに1年次の教養教育において、「情報処理」以外にも、文理を問わず共通して必要となるデータサイエンスの基礎を身につけるための科目を開講。データサイエンスのおもしろさや有用性を学びます。また、各学部の専門教育においては、各専門分野に応じたデータサイエンス科目を開講。教養教育において身につけた基礎を活かしながら、より専門分野に活かせる能力を身につけていきます。
体系的な履修を促す学部別の「履修モデル」も準備。このモデルを参考にしながら、自身の興味・関心に応じて体系的に学ぶことが可能です。
日本電気株式会社との組織的連携協力に基づき設置された講座(経済学部・データサイエンス寄附講座)では、行政や企業から寄せられた課題について、データサイエンスを利用した問題発見・解決の一連の流れを実践的に学ぶ科目を提供しています。学生と社会人がともにアイディアを出し合いながら、課題解決に取り組みます。この講座は経済学部学生だけでなく、他学部学生の履修も受け入れ、学部横断的に展開しています。
本学は、令和2年度~令和3年度 文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育の全国展開」の協力校に選定され、特に北陸地区におけるデータサイエンス教育の普及に取り組んできました。令和4年度からは「数理・データサイエンス・AI教育の全国展開の推進」特定分野校(理工農学)に選定されています。
特定分野校としての取組の一環として、都市デザイン学部を中心に、これまでの「産官学連携によるPBL(課題解決型学修)」「自治体・企業・NPOとの連携体制」「応用基礎レベルのデータサイエンス教育」をさらに発展させ、より実践的な教育を展開。「まちづくり、地域づくり」をキーワードに、地域課題の発見・解決のためのデータサイエンスの活用を学ぶことができます。例えば、「GIS」(地理情報システム:地図上にいろいろなデータや情報を重ね合わせて分析・管理できるシステム)を活用した演習や富山市をはじめとする富山県内の実データを教材とした授業などを行います。