公立諏訪東京理科大学は、ものづくり産業の集積地である長野県諏訪地域に立地しています。本学ではその環境を活かし、情報工学・機械工学・電気電子工学に関わる教育・研究を行っています。教育の柱は「ものづくり」「情報応用技術」「マネジメント」。ロボットや電気自動車など暮らしや産業での活用を目指し、研究の具現化を視野に入れた学びや、AIやビッグデータの活用など最先端情報技術の開発・活用に加え、社会で求められる経営学の素養を身につけた技術者の育成を特徴としています。
これら3つの教育の柱に加え、本学ではAI・データ解析の基礎を身につけ、それらを道具として使える専門家の育成を目標とし、2020年度から全学生を対象とした「データサイエンス・AI人材リテラシー教育プログラム」を実施しています。本プログラムは、AI技術実装の最新事例や、AI技術の活用を学ぶ全学的な取り組みであり、課題発見、問題定義、データの収集整理、データ分析、ソリューションを提案できる人材の育成を目指しています。「AI時代の情報倫理」「統計学」などの科目を通して、AI技術がもたらす社会変容やビジネスの変化を考え、グローバルな視点で倫理的問題や人間中心に問題を解決する方法に理解を深めるとともに、実社会においてデータを統計的手法で分析する知識・スキルが身につきます。その他にも、より深く・幅広く学ぶための21の選択科目も用意され、数理・データサイエンス・AIへの興味・理解を深めることが可能です。
AIの活用ではビッグデータの集積がカギとなりますが、本学が立地する諏訪地域はさまざまなデータを集めやすい恵まれた環境です。多様なデータを地元企業から提供してもらい、AIで解析した結果は企業で活用してもらう。その過程での課題解決は本学の学生の学修や教員の研究にも結び付くという、理想的な好循環が生まれています。加えて2020年度からはAI人材の育成を目的にAIコンテストを実施。学生の自主的なAI研究・学習につながり、その成果を測る絶好の機会となっています。2022年にはローカル5Gの基地局を学内に設置。遠隔医療や車両の遠隔運転など、5GとAIは相性が良いため、研究の可能性もますます広がります。
現在の複雑で多量の情報の処理は、人間の脳の情報処理能力では困難となってきました。その処理を「パーソナルA I 」でアシストしてもらい、人間がそのデータから有益な情報を引き出し、活用する。そんな未来を担う人材を育成します。