二足歩行ロボットが歩くのは「制御」の理論が背景にある!

二足歩行ロボットが歩くのは「制御」の理論が背景にある!

制御ってどういうもの?

機械の「制御」と聞いて、どういうことをするかすぐに思い浮かびますか? 制御は、設計や材料と違って外からは見えにくい分野ですが、平たく言うと「機械を目的に合わせて動かすこと」を指します。例えば、ある二足歩行ロボットは重心が上にあるため、電源を入れていない状態では自立すらできませんが、モーターを動かし各パーツに働きかけることで、バランスを取りながら立って歩けるようになります。動く部分がある機械は、モーターで力を与えないと動きませんが、モーターの出力と各パーツの動きの関係を、全体的に把握し、うまく動かしていくことを「制御」と呼びます。二足歩行ロボットが、転ぶことなくバランスを取って歩けるという現象の背景には制御の理論があるのです。

制御の本質は数式だ!

機械を望みどおりに動かすためのシステムを作るには、外から動きを見ているだけでは限界があるので、数式を使って理論的に考えていきます。それには、物理でいう運動の法則(ニュートンの第二法則)にのっとって、モーターが出す力と機械の動きを数式で書き表します。動きを数式で表現すれば、それを制御するための数式=制御手法を考えることができます。「数式」対「数式」の世界です。このように物理を使って実物から数学の世界に行って、そこから電子回路や機械の実物に戻ってくるという過程を経るわけです。ただし、実際に機械を動かすには、数式の理論だけでなく、実験で検証することも大切です。

分野を横断して活躍する制御

機械を作り動かすのは制御だけではありません。材料、加工、構造設計、モーター設計など形を作る過程があって、初めて制御が登場します。いろいろな方面の協力があってこそ、目的に合わせた動きを考えることができます。また、数式でモデル化し制御する動きを計算する理論は機械だけでなく、ものづくり全般、さらには電子や経営などの分野を横断して使える広がりをもったものの考え方なのです。

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先生情報 / 大学情報

公立諏訪東京理科大学 工学部 機械電気工学科 教授 星野 祐 先生

公立諏訪東京理科大学 工学部 機械電気工学科 教授 星野 祐 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

機械力学、システム工学

メッセージ

私はロボット工学、制御工学、振動工学を専門としていて、話題の二足歩行ロボットや「セグウェイ」のような乗り物を開発したり、地元の企業と協力し産業機械の制御上の問題点解決などに取り組んでいます。数式が大きな役割を果たす分野なので、高校で学ぶ数学や物理が重要になってきます。あなたが今学んでいることが将来必ず役に立つと信じて勉強してください。私は問題解決にぴったりの数式が見つかると一日中ニコニコしています。好きなことをするのが一番ですね!

先生への質問

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公立諏訪東京理科大学に関心を持ったあなたは

公立諏訪東京理科大学は、地域に貢献すると共に世界にも羽ばたく人材を育てることを目標として、2018年4月にスタートしました。日本有数のものづくり産業の集積地である諏訪地域の特長を生かした機械電気工学科と、今後のものづくりの環境を大きく変化させるAI、IoTなどの情報通信技術の力を発揮する情報応用工学科の2学科を置き、「ものづくりと情報通信技術の融合」を目指した教育と研究を推進します。さらに、「工学と経営学の融合教育」で、工学に加えてマネジメントを学ぶことにより、総合的な力や判断力を身につけます。