太陽光と蛍光ランプ、どこが違う?
太陽光と人工照明の違いは?
太陽光と蛍光ランプなど人工照明は、含まれる光の波長が違います。光には波の性質がありますが、この波の長さを波長と呼びます。波長が長いと赤く見え、短いと紫に見えます。光には赤、紫の波長だけでなく、黄や緑や青などさまざまな波長が含まれています。あなたが見ているモノの色は、長さの異なる波長の光がモノの表面で反射されて見えているのです。太陽光には、あらゆる長さの波長の光が含まれています。一方、蛍光ランプは、目に見える長さの波長を組み合わせて、白い光に見えるよう作られています。太陽光の下と蛍光ランプの下でモノの色が微妙に違って見えるのは、含まれる波長の違いによるものです。
勉強するときにふさわしいのはどんな照明?
太陽光と蛍光ランプのもう一つの大きな違いは、太陽光は一日を通して明るさ、光の色が変化していくということです。「今日は一日頑張って勉強しよう!」というとき、勉強部屋の天井の灯りはずっとつけっぱなしでよいのでしょうか? 研究によると、一日中ずっと同じ照明環境よりも、朝から昼、夕方にかけて太陽光と同じように変化する照明環境の方が、作業の効率が上がることがわかっています。窓から十分に太陽光が入る場合には、天井の灯りを消して、太陽光の変化を感じながら勉強してはどうでしょうか?
波長の短い光は睡眠をさまたげる
光の波長によってモノの色が違って見えるだけでなく、睡眠のリズムなど人間の健康にも影響することがわかってきています。波長の短い光は、眠気を促す「睡眠ホルモン」の分泌を抑えてしまうのです。起床から14時間ほどたつと、睡眠ホルモンが脳内に分泌され始めますが、このタイミングで青白い光を浴びると、ホルモンがうまく分泌されず眠れなくなるのです。夜寝付きの悪い人は、部屋の照明をオレンジ系に変えることで解消されるかもしれません。
このように、光が人間の心理・生理に与える影響を分析した上で、人間によい影響をもたらし、かつ省エネルギーとなる照明環境を提案するのが光環境工学です。
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先生情報 / 大学情報
千葉工業大学 創造工学部 建築学科 教授 望月 悦子 先生
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