シンプルに機能を実現する新しいロボットメカニズム

シンプルに機能を実現する新しいロボットメカニズム

シンプルかつ高機能をめざす

複雑で高度な動きができるロボットには、複数のモータやセンサが付いており、高性能な制御系統が必要です。それに対して、シンプルさを追求して機能を実現する、新しいロボットメカニズムの研究が行われています。例えば、受動的ロコモーションという物理現象を利用した受動跳躍する脚ロボットの研究もそのひとつです。関節のばねの強さや取り付ける位置、質量のバランスなどを調整することで、着地の衝撃エネルギーをばねの弾性エネルギーに変換し、モータやセンサがなくても跳躍し続けることができます。
現在ロボットはおもに工場などで使われていますが、今後は人間と共存することが予想されるため、よりシンプルで軽く、故障しにくいロボットの開発が必要なのです。

アメーバをヒントにしたロボット

従来の、左右にクローラ(キャタピラ)を備えたロボットは、がれきの上や農地などを走行できる長所がありますが、構造が複雑であるため小型化が難しく、狭い場所には不向きです。この弱点を克服するために考案されたのが、アメーバの推進原理にヒントを得た円筒状のクローラロボットです。円筒型のフレームの中から外へと6本のゴムのベルトが渡されていて、ネジのようならせんの歯のあるギヤをモータで回転させると、その歯と6本のベルトがかみ合って回転し前進します。シンプルな構造であるため小型化が可能で、弾力のあるベルトのおかげでセンサなどがなくても段差を乗り越えて進めます。

自走できる内視鏡

このクローラロボットの仕組みを応用した大腸内視鏡の開発も進められています。既存の内視鏡は、ファイバースコープを手で押して柔らかい腸内に挿入するため、腸壁を傷つけたり突き破ったりする事故がゼロではありません。また挿入するには高い技術が要求され、長期間の練習が必要です。このファイバースコープの代わりに、細径化したクローラロボットで大腸内を自走できるようにすれば、体への負担が少なく、操作に特別な技術も必要ない大腸内視鏡が実現できると期待されます。

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先生情報 / 大学情報

龍谷大学 理工学部 ※2027年4月、「先端理工学部」より名称変更 機械工学・ロボティクス課程 准教授 永瀬 純也 先生

龍谷大学 理工学部 ※2027年4月、「先端理工学部」より名称変更 機械工学・ロボティクス課程 准教授 永瀬 純也 先生

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ロボット工学

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メッセージ

ロボットメカニズムの研究をするなら、物理や数学などの専門知識が必要なので、それらをしっかり勉強しておくのが大事です。加えて、日常生活の中で疑問に思ったことを調べてみるなど、普段からアンテナを張り巡らせて、いろいろなことに関心を持ちましょう。新しいアイデアとはそのような経験に根差した直感だと思います。私もたまたま立ち寄った博物館でアメーバの移動原理を知り、常に頭にあったクローラロボットの問題と結びついて、狭いところを通れるクローラロボットのアイデアがひらめきました。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

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あなただけの世界から、私たちを想う世界へ

あらゆる「壁」や「違い」を乗り越えるために、「まごころ」を持ち、「人間・社会・自然」について深く考える人を育む。それが、龍谷大学の教育のあり方です。自分自身を省み、人の痛みに感応して、他者を受け容れ理解する力を持つ。人類が直面するリアルな課題と真摯に向き合う。そして様々な学びを通じて本質を見極める目を養い、自らの可能性を広げていきます。