めざせ豆界の新スター! 用途いろいろのナタマメとは?

めざせ豆界の新スター! 用途いろいろのナタマメとは?

新食材で食糧問題にアプローチ

豆腐やみそなどの加工食品に使われる大豆は、健康志向による人気に加え、油を多く含む性質からバイオ燃料としても利用され、その需要は増加しています。ところが、異常気象の影響で大豆の生産量は減少しており、将来価格が上がったり入手が困難になったりする可能性は否定できません。そこで、新しい植物性タンパク質の供給源として、雑豆(大豆と落花生以外の豆類の総称)の一つであるナタマメを加工食品に使う研究が行われています。新しい食材の開発は食糧問題の解決に貢献するだけでなく、私たちの食生活を豊かにしてくれます。

筋肉を作るアミノ酸が豊富

ナタマメはアジア原産で、大豆などに比べて豆が非常に大きく、高温地域でもよく育つのが特徴です。お茶や福神漬、歯磨き粉などに使われていますが、食材としての利用は限られています。
このナタマメから豆腐のような加工食品を作ろうとしたところ、チーズ状の沈殿物が得られることがわかり、その成分は、カナバリンというナタマメの主要なタンパク質であることが判明しました。このカナバリンをさらに詳しく分析すると、筋肉量の維持・増進に役立つとされるアミノ酸のロイシンを豊富に含んでいることがわかりました。今後は、アスリートのための植物性プロテインなどへの活用が期待されます。

ゲル化剤にも

また、ナタマメから抽出液を調製して冷やすと、ゲル化することもわかってきました。同じ植物性のゲル化剤には寒天がありますが、ナタマメとは固まる温度や溶ける温度に違いがあるため、用途に応じた使い分けが期待されます。活用例として、嚥下(えんげ)が困難な人のための流動食などが考えられています。
もっとも、ナタマメの加工食品への利用には課題もあります。一般的に豆類には独特の青臭さがありますが、ナタマメは臭いが特に強いのです。その原因を探り、加工食品に利用するための対策が検討されています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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龍谷大学 農学部 食品栄養学科 講師 西澤 果穂 先生

龍谷大学 農学部 食品栄養学科 講師 西澤 果穂 先生

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メッセージ

管理栄養士は、さまざまな場所で活躍できる職業です。病院や高齢者福祉施設での食事・栄養管理のほか、学校では給食管理や食育を通じて子どもたちの成長に貢献できます。食品メーカーで営業や開発に携わるといった進路もあるでしょう。食べることは誰もが毎日欠かすことのできない行為です。食品栄養学はそんな「食べる」という観点から自分や家族、友人など身近な人の健康維持に貢献できる面白い学問です。食べることや料理が好き、あるいは食糧問題に興味があるなら、ぜひ一緒に学び、研究しましょう。

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あらゆる「壁」や「違い」を乗り越えるために、「まごころ」を持ち、「人間・社会・自然」について深く考える人を育む。それが、龍谷大学の教育のあり方です。自分自身を省み、人の痛みに感応して、他者を受け容れ理解する力を持つ。人類が直面するリアルな課題と真摯に向き合う。そして様々な学びを通じて本質を見極める目を養い、自らの可能性を広げていきます。