講義No.14716 児童学 教育

幼児教育で生じる「ズレ」 子どもをより深く理解するために

幼児教育で生じる「ズレ」 子どもをより深く理解するために

保育で生じるズレ

幼児教育の現場では、子どもが予想外の言動をして大人を驚かせることがあります。そのことを後で振り返ったとき、保育者は「なぜ子どもはあんなことをしたのだろう」と疑問を抱くことが大切です。保育者の予想と子どもの言動の食い違いを「ズレ」といいます。振り返りによってズレを認知し、新たな気付きを得ることで、子どもへの理解がいちだんと深まっていきます。

熟練の保育者にも多いズレ

保育者が経験したズレの事例を5つに分類し、その特徴の分析がなされました。カテゴリーの一つが、「計画の遂行・強い信念によるズレ」です。これは柔軟性がなく計画どおりに保育を進めることや、保育者の独りよがりな信念を持って接したときに見られます。例えば保育者が「この遊びをすれば楽しんでくれるだろう」と思って実施したものの、活動が終わったあと子どもたちが「もう遊んでいい?」と聞いてきた事例がありました。子どもにとってそれは遊びではなかったのです。このようなズレを、熟練の保育者ほど多く捉える傾向があります。目の前の子どもの思いや願いを置き去りにした計画へのこだわりや信念がズレを生んでしまうのです。

ズレに向き合い成長する

中には子どもが保育者の予想を上回る姿を見せるなど、喜びにつながるズレもあります。そのため、ズレが生じてはいけないわけではありません。なぜズレが生じたのか、何が大切だったのかに目を向け、保育を問い直すことで、子どもにとってよりよい保育を創造することができます。同時に、保育者の成長や自信につながることも期待されます。
これを証明するために、園内研修で行う「ズレの認知 わくわくプログラム」が構築されました。研修ではまずズレの概念や重要性を学び、日常で感じたズレの事例を語り合います。その後は1カ月間、ズレを捉えるための行動目標を各自で設定してセルフチェックを行います。これをくり返すことで、保育者の意欲や自信といった効力感がどう変化していくのか、現在、データの収集と分析が進められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

就実大学 教育学部 教育学科 准教授 田中 修敬 先生

就実大学 教育学部 教育学科 准教授 田中 修敬 先生

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幼児教育学

メッセージ

保育者をめざすにあたり、「子どもが好き」という気持ちは大前提です。それに加えて、常に学び続ける姿勢や、向上心も必要不可欠です。こうした力を養うためにも、高校時代はなんでもいいので自分の興味あることに挑戦し、追求してほしいです。また、苦手な分野にあえて踏み込んだ経験も、将来役に立つと思います。保育現場では試行錯誤し、自分自身が変化し続けながら、子どもと向き合う姿勢が大切だからです。大学では保育を実際に体験する機会も多いので、子どもと正面から向き合い、体当たりで学んでほしいです。

就実大学に関心を持ったあなたは

就実学園は、創立120年を迎えます。就実大学は、人文科学部(表現文化学科、実践英語学科、総合歴史学科)、教育学部(教育学科※)、心理学部(心理学科※)、経営学部(経営学科)、薬学部(薬学科)を設置する総合大学です。人間性の充実に重きを置きながら、社会で即戦力となれる人材の育成に努めています。岡山駅から1駅の「西川原・就実」駅下車徒歩1分のアクセス抜群のキャンパスで全学生が学んでいます。
※2025年4月開設