誰もが幸せでいられる高齢者ケアのあり方を探る!

超高齢社会と老年看護学
少子高齢化が進む日本では、現在人口のおよそ10人に3人が65歳以上の高齢者です。2070年にはそれが10人に4人になるといわれています。令和5年の調査では、特別養護老人ホームなどの高齢者長期ケア施設で生活している人は約97万人おり、その人たちの人生の最終ステージを支えるケアの重要性は増すばかりです。看護学の中でも老年期を対象とする「老年看護学」では、加齢や疾患によって機能が低下した高齢者の生活を支えるケアやコミュニケーションの工夫、家族への支援、専門職の連携など、さまざまな視点で研究が進められています。
高齢者はどんなときに幸せを感じる?
高齢者ケア施設は、高齢者の生活の場です。この場をどのようにコーディネートできるかが、高齢者の生活の質の向上に結びつきます。
高齢者長期ケア施設で生活している高齢者は、どのようなときに幸せを感じるのでしょうか。以前の研究で明らかになっていた「体が健康であること」や「痛みがないこと」のほかにも、「生活の中で自分の意思で決められること」「職員が笑顔でいること」が、高齢者自身が感じる幸福度に大きく影響することがわかってきました。高齢者長期ケア施設で高齢者が心地よく過ごすためには、自らの生活を選択できる環境と、施設でスタッフが幸せに働ける環境づくりが重要なのです。
スタッフが幸せに働くためには?
高齢者ケアに関わるスタッフの中でも、介護職は最初から介護職をめざした人だけでなく、ほかの職業を経ている人などもいます。また、看護職も病院などで臨床経験を経てから就職した人もいれば、新人看護職として就職する人もいます。このように、さまざまなバックグラウンドを持った人たちの働く意欲や働きがいにつながるのは、自分の将来に見通しが立つことであり、そのためのキャリア支援が重要になります。
高齢者と高齢者を支えるスタッフが、共に幸せでいられるケアのあり方を考えることが重要なのです。
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