情報システムとデータサイエンスの組み合わせで広がる可能性!

紙での管理で生じる「ムダ」
現代社会のいたるところでペーパーレス化が推進され、学校でも紙ではなくタブレットを使って課題提出や事務手続きを行う機会が増えているでしょう。しかし、企業・自治体・教育機関での実態には格差があり、業務上で紙を使う慣習が根強く残る現場もあります。物事を決める際に、担当者から課長、部長、部門長へ書類を手渡して承認の印鑑を押す仕組みが変わらない企業や、生徒が提出した紙で出欠を管理する学校もあります。そこには、時間・労力・資源などの面で合理的ではない「ムダ」、つまり業務課題が発生しているのです。
情報システム×データサイエンス
業務のムダを改善するには、コンピュータやソフトウエア、ネットワークなどを使った「情報システム」の導入が有効です。さらに、情報システムによって蓄積した情報を、統計学やAIなどの手法によって解析する「データサイエンス」を駆使すれば、さまざまな課題を解決できます。
例えば学校で、ある情報システムを活用して留学希望者を募るとします。そのシステムで収集した情報に、成績・課外活動・属性などの関連情報を加えて解析すれば、表面化していなかったそれらの相関性が見えてきて、生徒と留学先のマッチングの質やスピードが向上します。目的に合わせて、情報システムとデータサイエンスの組み合わせを変えることで、課題解決の可能性が広がるのです。
少子高齢化対策の第一歩に
少子高齢化など地域課題の解決にも、この組み合わせは有用です。まず、困りごとを抱える高齢者と社会福祉サービスをつなぐなら、情報システムを使って誰でもわかりやすい自治体のホームページを構築することが一策です。次に、どこにどんな高齢者が住み、何に困っているかという情報を抽出するには、生成AIを活用したデータサイエンスが役立ちます。複雑な地域課題を一歩ずつより早く解決していくプロセスに、情報システムやデータサイエンスは多角的に関わることができます。
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富山国際大学現代社会学部 現代社会学科 教授新森 昭宏 先生
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