非常勤を組み合わせて主体的にキャリア形成! 心理職の働き方

心理職の約半数が非常勤
公認心理師、臨床心理士などの心理職の約半数が非常勤で働いているという現状があります。非常勤では社会保険に加入できないといった経済面の不安がありますが、実は前向きに非常勤職を選んでいる人たちも多く存在します。特に、出産・育児・介護など、キャリアに影響するライフイベントがある人にとって、非常勤での働き方には大きなメリットがあります。従来の仕事と私生活を両立させるワーク・ライフ・バランスではなく、仕事と私生活が相互に作用して質を高め合う「ワーク・ライフ・エンリッチメント」という視点でとらえることで、仕事も私生活も豊かになります。
ライフイベントからも学ぶ
例えば、医療領域で常勤職に就いた後、より多くの実務経験を積むために教育領域に転向し、スクールカウンセラーと教育相談を組み合わせて働く人がいます。また、配偶者の転勤に合わせて各地でスクールカウンセラーを経験し、最終的に独立した働き方を選ぶ人もいます。いずれも非常勤職を戦略的に組み合わせ、多くの職場・仕事を経験することで、自分の特性や適性を発見しています。心理職には医療、教育、福祉、司法、産業の5つの領域があり、どの現場で力を発揮できるかを幅広く検討できるのです。
またライフイベントの時期には、勤務日数を調整したり、拘束時間を短くしたりし、ライフイベントに取り組みながら仕事も継続するという働き方をしている人が多くいます。心理職にとって、ライフイベントから得られる学びも大切なのです。
キャリア形成も主体的に
注目すべきは、非常勤で経験を積んだ心理職の人々が、キャリアの後期段階では後進の育成に携わることもあるということです。専門的な業務に専念できる一方で、非常勤は責任ある仕事ができないと思われがちですが、非常勤職であっても、実務経験を積んだ後、指導的役割へと移行する人も多くいます。非常勤職で働く心理職の多くは、非常勤職を主体的に選択して、ライフサイクルに合わせて計画することで、充実したキャリアを築いているのです。
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