英語×他教科で広がる可能性! つなげる・つながる力を伸ばす授業

英語と美術が出会う授業
英語の授業で紙芝居を作るという、少しユニークな活動があります。中学生が小学校の国語教材である「お手紙(がまくんとかえるくんの物語)」を英語に訳して、美術の時間に紙芝居を制作しました。幼稚園や小学校の子どもたちを対象とした紙芝居の制作会社を作り、各社がそれぞれ1つの物語を担当しました。
このように英語をほかの教科と組み合わせて学ぶ教科等横断的な授業では、英語を学ぶだけでなく、「英語を使って何を伝えるか」を大切にしています。まだ英語をよく知らない幼稚園児が対象なので、生徒たちは使う単語や、イラストや声のトーン、抑揚などを工夫しながら、相手に伝わる表現を試行錯誤します。こうした体験を通して、「英語で伝える」とはどういうことかを実感していくのです。
日本語で考え、英語で伝える
英語科の教科等横断的な授業では、「サンドイッチ型」の言語使用が効果的です。授業の導入・インプットと最後の発信・アウトプットは英語で行い、その間の活動では日本語を使って考えを深めます。
例えば、「We Are the World」という曲を題材とした平和について考える授業では、まず英語でこの曲の背景を学び、日本語でこの曲についての考えを深め合い、最後に英語でクラスごとにプロモーションビデオを制作しました。生徒一人ひとりが「自分はなぜそう思ったのか」「ほかの人はなぜそう考えるのか」という考えを交わし合う中で、考え方の違いに気づく経験や考え方が変わる経験ができます。このように、英語だけではない深い学びが得られることも教科等横断的な授業の魅力です。
英語で未来を切り拓き、彩る
英語は、自分と過去・現在・未来をつなぎ、地域・社会・世界をつなげる道具です。教科の枠を越えた学びの中で、「何を伝えたいか」「どうすれば伝わるか」を自分の頭で考える力も育まれます。英語で誰かとつながる体験を重ねることで、英語は将来さまざまな場面で生かせる力となり、自分の可能性を広げ、より豊かなものへと彩ってくれるものになるのです。
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先生情報 / 大学情報

常葉大学 外国語学部 英米語学科 准教授 中島 義和 先生
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