「なぜこれを学ぶのか」を考える

学校での学びの課題
学校での勉強の多くは、自発的なものというよりは外から与えられる学びです。そのため、特に苦手科目に対して「自分がこれを勉強する意味はあるのか」と疑問を抱く生徒は少なくありません。日本は、戦後の復興から高度経済成長期にかけて「とにかく学力をつけて先進国に追いつく」ことが最優先とされ、学ぶ意義が十分に語られることなく進んできました。このままの状態が続くと、勉強が単なる暗記や作業とみなされ、せっかくの学びの内容が生かされなくなります。そこで、学びの意義に着目した教育社会学の研究が進んでいます。
学びと社会をつなげる
研究では、学ぶ意義を生徒が持つためには「学びで得られる知識と社会とを結びつける工夫」が不可欠と考えられ、中学2年の国語の授業で検証が行われました。扱われた教材は、イースター島のモアイ像に関する説明的文章です。説明的文章の授業では通常、わからない言葉を調べたり、段落ごとの構成を分析したりといった学習が進められます。検証ではそこに、社会的な論点を提示する「社会的発問」が加えられました。例えば「モアイ像が作られなくなった背景には、イースター島の森林伐採がある」という文章を読んだ後で、教師が「森林伐採を現代社会と結びつけると、どんな問題が考えられるか」と問いかけるのです。すると生徒たちからは「地球温暖化」や「自然災害」といった意見が活発に出てきました。
「やらされるもの」ではない学びを
授業後のアンケートでは、生徒から「授業での学び」と「社会とのつながり」についてポジティブな回答が多く見られました。この検証結果は、教師からの問いかけ次第で、生徒の学びが暗記や作業から「社会とつながる体験」に変わることを示しています。研究ではさらに、授業での学びで社会的な感性や思考力を育てるための仕掛けづくりが進んでいます。意義を理解した上での学びが、生徒にとって「やらされるもの」ではなく、社会へ開かれた扉になることが期待されます。
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宮城教育大学 教育学部 准教授 山田 美都雄 先生
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