雑音も音楽? 楽譜の知識がいらない? 驚きの音楽教育

その音は騒音か、音楽か?
音楽といえば、J-POPやクラシック音楽などの楽曲を思い浮かべることが多いでしょう。しかし、自分が話すのをやめて耳を澄ませてみると、地面を踏みしめる音、車のエンジン音、鳥の鳴き声、遠くで誰かが誰かを呼ぶ声など、周囲にさまざまな音があふれていることに気づきます。それらは時に騒音にもなりますが、そのような環境にある音すべてを音楽ととらえる考え方があります。カナダの作曲家R.マリー・シェーファーが提唱した「サウンドスケープ(音の風景)論」です。
聴く力を鍛え、環境と音楽との関係を考える
このサウンドスケープ論から生まれた、「聴く力を鍛える」「自分の周りの環境と音楽との関係性を考える」ことを目的とした教育が「サウンド・エデュケーション」です。サウンド・エデュケーションにはさまざまなエクササイズがあります。その1つ「リスニングウォーク」は、沈黙して歩きながら周囲の音に耳を傾けるという活動です。また、そうした過程でどこでどんな音が聞こえるかを実際の地図への書き込みや、自由な線や図で書き留めていく「サウンドマップ(音地図)」の作成を行うこともあります。実際の音を録音して、クリックするとその音が聞こえるデジタル版「サウンドマップ」を作ることも可能です。
演奏者が自由に解釈する図形楽譜
音楽を表現する上で、多くの場合、五線譜が用いられることが前提とされていますが、もっとルールがゆるやかな図形楽譜を使った演奏もあります。「リスニングウォーク」を通して、さまざまな線や図で書かれた「サウンドマップ」を図形楽譜として読むことができます。これなら楽譜が読めない人や、幼児から高齢者までの幅広い年代の人が、楽譜を自分なりに解釈して演奏でき、音を奏でる楽しさを体験できます。
サウンド・エデュケーションには、音を「聴くこと」と音を「つくること」を開くという、音楽教育としての可能性があるのです。
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