縮小社会で暮らしをどう維持するか 地域の未来を見つめる経営学

地域活性化イベントの現実
地域を盛り上げるために、外部の人を呼び込むイベントが各地で行われています。しかし、フィールド調査によると、こうした取り組みが必ずしも地域の活性化に直結しているわけではないことがわかってきました。確かにイベント開催は一時的に人を集める効果がありますが、地元の人の体力や意気込みが消耗してしまったり、外部の人に「消費される場所」になってしまったりするケースも見られます。さらに、地域の中で「イベントに参加する人・しない人」の分断が生まれることも少なくありません。目に見えて盛り上がっているからといって、課題解決に至らない場合もあるのです。
地域が小さくなる=消滅ではない
日本の多くの地域で人口が減り、社会が縮小しています。すると、「地域が小さくなること=消えてしまうこと」と考えられがちですが、縮小しながらも暮らしを維持している地域は少なくありません。大切なのは、先入観にとらわれず、今そこで何が起きているのかを正確に観察することです。住民の生活、コミュニティの支え合い、周囲の環境との関係など、多面的に見ることで初めて「これからの地域でどんな暮らしが成り立つか」を考えることができます。変化を悲観するだけでなく、新しい暮らしの形を捉え直すことが、縮小社会を生きる上で重要な視点です。
経営学で地域を見るということ
経営学というと、企業の利益や数字を扱う学問というイメージが強いかもしれません。しかし、実際には「現状を正確に理解すること」がとても重要です。企業でも、売上といった数値だけでなく、従業員のモチベーションや職場の空気といった「数字に表しにくい情報」を把握することが良い経営につながります。地域を対象とする研究では、社会学で用いられるフィールドワークや観察の手法を用います。そうして物事を多面的に捉えることで、地域で何が起きているのかを正確に見ることができます。経営学は、人や社会の動きを読み解く学問でもあるのです。
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公立鳥取環境大学 経営学部 経営学科 准教授 倉持 裕彌 先生
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