AIは踊れる? 人間だけが持つ身体表現の力とは

AIは踊れる? 人間だけが持つ身体表現の力とは

人間の動きをAIは再現できる?

近年、AIがある程度の音楽や絵、文章を生み出せるようになってきました。一方、ダンスについては、AIが文章以外で自由に振付を創作したり、体で表現したりすることは、現時点ではまだまだ困難です。人間の体の動きには、感情や直感、即興性など、数値化できない要素が多く含まれているからです。ロボットに人間らしい振付をプログラムしても、思うように動けず、エラーで止まってしまうという事例もあります。テクノロジーが進む今だからこそ、「人間の予測不能さ」が、表現の豊かさや個性として際立ってきているのです。

言葉を超える身体表現

ダンスは、誰もが持つ体を使って感情や世界観を伝える表現方法です。言葉はなくとも、動きや呼吸、空間の使い方、視線の動きなどによって、物語や思想、感情を観客に伝えることを目指します。同じテーマでも、ダンサーの個性や体の特徴、解釈によってまったく違う作品になるのも特徴です。ダンス研究では、そうした言葉では説明しきれない感動や気づきをどう言語化して共有するのかを考えながら、体と想像力がつくる表現や創造の豊かさに向き合います。踊る側だけでなく、みる側にとっても、身体表現は自分自身や世界を見つめ直すきっかけになるのです。

ダンスから広がる学び

ダンスは自身が踊るだけではなく、みる・記録する・教える・研究するといった多様な関わり方ができます。例えば、古典バレエ作品がなぜ100年以上も踊り継がれてきたのかを、公演プログラムや新聞批評、振付家の記録など一次資料を使って分析する研究もあります。また、日本では体育として教えられてきたダンスも、海外では芸術科目として位置づけられている国は多く、その背景を探ると教育や社会制度の違いが見えてきます。さらに、AIが作った音楽にあわせて人間が踊る作品や、ロボットと共演する舞台も登場し、テクノロジーとダンスが交わる試みも進んでいます。ダンスは、表現を入口に、文化・歴史・教育・技術へとつながっていく実に奥深い学問なのです。

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先生情報 / 大学情報

芸術文化観光専門職大学 芸術文化・観光学部 芸術文化・観光学科 講師 深澤 南土実 先生

芸術文化観光専門職大学 芸術文化・観光学部 芸術文化・観光学科 講師 深澤 南土実 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

ダンス、舞踊学、舞踊史、身体表現

先生が目指すSDGs

メッセージ

芸術に触れることは、「世界を感じる力」を育てることです。高校時代に体験したことは、将来どこかで必ずつながりますから、ダンスや演劇、美術、音楽、映画など、さまざまな芸術にたくさん触れてみてください。作品を見て「なぜ心を動かされたのか?」を考えることで、自分自身の感性や価値観が見えてきます。芸術の魅力は、人によって解釈が異なり、正解がないことです。自分なりに感じ、考える力を育む第一歩として、多くの表現に出会い、その積み重ねが将来の進路や生き方にもつながっていきます。

先生への質問

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芸術文化観光専門職大学は、令和3年4月に兵庫県の但馬地域に開学した、1学部1学科の県立専門職大学です。本学では芸術文化と観光の2つの視点を生かし、新しい価値を創り出し、地域を活性化できるプロフェッショナルを育成します。
既存の文化資源の掘り起こしや新たな文化を創出し、それを多様な観光資源と結びつけることによって新しい事業を創造し、地域を元気にする。本学はそんな芸術文化と観光の境を越えて双方を学ぶ日本で初めての大学です。