身体を知り、けがを防いで「強く」なるためのコンディショニング

なぜけがは起こるのか
スポーツにおけるけがの大きな要因の一つに、身体の機能がうまく働いていないことが挙げられます。例えば野球の投球動作では、肩関節の後ろ側が硬くなると動きが制限され、さらに繰り返しの動作によって肩に強いストレスがかかります。その結果、肩の痛みや損傷へとつながるのです。また、肩だけでなく、肩甲骨や体幹、下半身など全身の動きが連動して初めてスムーズな投球が可能になります。どこか一つでもバランスが崩れると、そのズレを補おうとして別の部位に負担が集中します。つまり、けがは「一部分の問題」ではなく、「身体全体の使い方の問題」としてとらえることが重要なのです。
「見えないリスク」をどう見つけるか
予防には、身体の状態を正しく評価することが欠かせません。昨今は関節の可動域を測定するだけでは十分ではないことがわかってきています。筋肉や組織の硬さによっても負担のかかり方は変わるため、超音波による測定など、新たな評価手法が用いられるようになりました。
しかし現場では、「少し痛いけど投げられるから大丈夫」と考えて、違和感を見過ごしてしまうケースも少なくありません。本来、痛みは身体からの重要なサインです。このサインを早くとらえ、練習強度を調整することが、重大なけがを防ぐ第一歩となります。
パフォーマンスと予防はつながっている
けがを防ぐことと、パフォーマンスを高めることは別のものではありません。むしろ両者は密接に関係しています。身体の機能を正しく整え、全身の連動性を高めることが、結果的に競技力の向上につながるのです。
例えば、柔軟性だけを高めても筋力が不足すれば力強い動きは生まれません。逆に筋力だけを鍛えても、身体がうまく動かなければけがのリスクは高まります。大切なのは、「けがをしない身体」と「力を発揮できる身体」を同時に作ることです。技術練習だけでなく、どこが動きにくいのか、どこに違和感があるのかと、自身の身体を知ることがアスリートに求められる時代になってきています。
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