人工林をいつまでも使い続けるには

好きな木だけ植えていていいの?
はるか日本書紀の時代にはすでに、私たちの暮らしはスギ・ヒノキと共にありました。時を経て、これらの樹種が整然と並ぶ森をつくり出した私たちは、それにより山を治めるという感覚をもっています。
しかし1樹種でつくられた森は、土壌養分の使われ方という点では畑に似た側面があります。収穫を繰り返せば、土壌から養分を取り出し続けることになり、やがて限界が訪れる可能性があります。
実際に、人工林の土壌を時間差で調べると、多くの場所で養分が減り、土壌が少し疲れていることがわかります。
ダメになったら次に行くのはダメだよね
これまで人類は、土地の生産性が低下すると、新たな土地を開発する、ということを繰り返してきました。しかし、それを森林で続ければ、天然林への伐採圧が高まります。
そこで、持続的な人工林の姿を求め、まずは温帯林のもつ性質「一つの樹種だけからなる森を維持するには人のエネルギーを要するが、それがなければ、森は多様な樹種が共に育つ姿へと移り変わる」ことに着目した研究があります。
複数の樹種を植えて人工林を使い続ける?
「1樹種の森」と「複数樹種の森」とでは、土壌を中心とした物質循環が異なると予想され、複数樹種の葉や細根を組み合わせて分解試験が行われました。その結果、樹種を混合することは微生物をはぐくみ、葉からの養分流出を抑えることがわかりました。
このことは、混交林化が林地における養分保持に寄与しうることを示しています。とはいえ、日本の林業は採算の面で厳しい状況にあり、「いろいろな樹木を植えて」というのは現場の負担になること必至です。そのため、費用対効果があり木材生産を妨げないという視点で、樹種の組み合わせや配置を探る必要があります。
世界では今なお、一つの樹種による森づくりが続けられています。その意味を立ち止まって考えるための材料が探られています。
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