無意識的な処理を含めた心理現象を、実験で科学的に解き明かす

目に見えない心を科学で解明する
日常生活の中で、なぜこんな思いや感情が出てくるのか、こんな行動をするのか、不思議に思ったことはありませんか。実験心理学という学問では、そうした人間の心や行動を科学的な手法で解明していきます。研究では、明らかにしたいテーマに応じて参加者に映像を見てもらったり、数字や質問に答えてもらったりといった課題を行ってもらいます。その結果をデータとして収集・分析することで、私たちの心理現象の仕組みを明らかにしていきます。
別のことを考える現象も人間らしさ
例えば、勉強中や作業中に関係ないことを考える、違う行動を取るといった経験をした人も多いでしょう。これは、マインドワンダリングという心理現象です。
では、その間に何を考えているのでしょう。今後の計画や対処など未来を考える人、過去の出来事を考える人、妄想をしている人……何を考えるかはさまざまです。このとき、脳は安静時に活動する神経ネットワークが活発になっています。集中力が低下する反面、脳のリフレッシュ効果があり、新しいアイデアや創造力につながることもあります。勉強や課題などで行き詰まったら、わざとマインドワンダリングをすることで、解決策やヒントを思いつきやすくなるかもしれません。
心と脳の状態を読み解く
マインドワンダリングは、高齢になるほど減少していきます。作業中に別のことを考えるのは、意外に脳を使うのです。脳のパフォーマンスが落ちると、2つのことを考えるのが難しくなります。
注意力が散漫するマインドワンダリングは、ほぼ無意識に別のことを考え始めますが、本当に何も考えない、完全にぼーっとする現象もあります。このとき、脳の言語をつかさどる活動が低下して、脳の休息状態となります。また、集中する心の状態を養うことや、ストレスの低減を目的としたマインドフルネスというトレーニングもあります。
当たり前のようにある心ですが、まだ不明点が多くあります。心の現象を科学的に解き明かせれば、人間らしさの本質に迫ることができるはずです。
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東海大学 文理融合学部 地域社会学科 講師 川越 敏和 先生
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