コンピュータシミュレーションで世界を理解し、未来を変える!

生物の動きをコンピュータで再現
コンピュータ上に仮想の環境と物体のモデルを構築し、その動きをシミュレーションで調べる研究分野があります。例えば、仮想の水中環境に魚のモデルを置いて、「最短でゴールに到達するにはどう動けばよいか」を学習させると、本物の魚そっくりの泳ぎ方が自然に生まれてくることが確かめられました。鳥のモデルでは、両翼をタイミングよく動かさなければ上昇できないことも明らかになっています。
このような研究は、「生命」「知能」「社会」のように、要素に分解しただけでは本質が見えないものを丸ごと扱う「複雑系科学」という考え方を土台にしています。コンピュータ上ならどんな仮想生物でも作れるため、自然界の「なぜ」を実験的に探ることができます。
シミュレーションで最適な方法を探る
コンピュータシミュレーションは、現実の問題を解決するためにも活用されています。例えば、物流倉庫の中で商品を効率よく集める方法や、ロボットがどのように動けばよいかといった課題は、実際の現場で人やモノを使って試すと時間やコストがかかります。そこで、まずコンピュータ上で状況を再現して、さまざまな条件を変えながら最適な方法を探します。現実の複雑な問題を整理して、重要な部分をモデル化し、試行錯誤を重ねながら解決策を見つけていくのです。
廃炉現場の内部を復元
ロボットの行動への応用例に、原子力発電所の廃炉現場があります。福島第一原発の建物内部は放射線量が高く、人が立ち入ることができません。そこでロボットやドローンにカメラを搭載し、撮影した映像から内部の三次元構造を復元することで、どこを重点的に調査すべきかを判断する手がかりを得ようとしています。
光の当て方やカメラの視野角によって復元精度がどう変わるかを、シミュレーションで事前に検証し、高精度の復元を効率良く行えるようにしています。この技術は、廃炉現場だけでなく、文化財の3DアーカイブやVR展示といったものへの応用も期待できます。
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札幌大学 地域共創学群 経営・会計学系 教授 中村 啓太 先生
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