動物園のゾウはどうやって手術している? 希少動物の治療体制を考案

大学と動物園が協力
動物園の動物たちの健康診断や病気・けがの治療はどのようになされているのでしょうか。
動物園でも一般的な医療は日々行われています。しかし、ほとんどの動物園ではCTやMRIなどの医療設備はなく、獣医師の数も限りがあるため、より高度な治療を施すためには外部機関との協力が欠かせません。動物園にいる希少動物を保全するためにも、大学と動物園が協力して動物たちに必要な治療を行う仕組みづくりが進められており、成果を上げています。
気配りが多いチーターの治療
2025年には、鼻にできものが生じた多摩動物公園のチーターを大学の動物医療センターで受け入れ、治療が行われました。受け入れにあたっては、感染症などに対する安全管理を徹底するために大学側と動物園側でミーティングが重ねられ、学生や外来患者に影響のない日曜日が選ばれました。特にチーターは人への危害のリスクがあるため、麻酔をかけた状態での移動やそのルートの検討も欠かせません。移動の途中で目が覚めてしまった場合や、心臓が停止してしまい心臓マッサージが必要になった場合など、不測の事態への準備も万全にして、専門家のチームによる治療が行われました。このように、動物園の動物の診断や治療は、対象とする動物の種類によって細かい調整が必要になるのです。
ゾウの呼吸管理装置を模索
2024年には、アフリカゾウの牙を抜く手術が行われました。この手術は日本で初めての成功を収め、ゾウも元気になりました。ゾウのような大きな動物の場合、麻酔時の呼吸管理が容易ではありません。麻酔をかけると呼吸も止まってしまうため、人工呼吸器から器官チューブで空気を送る必要があるのです。
特にゾウの場合は、横倒しにすると片方の肺が体重で押しつぶされてしまい、空気を届けるのがさらに困難になります。適切な呼吸管理のため、肺に出入りする空気量を計測する装置などの開発が求められています。
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